君の名は
という映画が、5年前に流行りましたが、皆さんは見たことがありますか。この映画とんでもない映画でして、累計の売り上げが250億円も出ています。
これは日本映画の売り上げで歴代3位に入ります。
2位は千と千尋の神隠し(318億)、
1位は鬼滅の刃の無限列車編(330億~放映中)になります。
1位は圧倒的な作品クオリティに加えて、とんでもなく大きな波に乗った鬼滅の刃、2位は日本が誇るジブリアニメ。その強豪に連なる堂々の3位。これはまさしく名作邦画といっても過言ではないのかと思っています。
ちなみに僕はこの映画を見ました。
僕自身、新海誠先生の作品は秒速5センチメートルもみましたが、そこから一気に話の構成力が跳ね上がっていると感じました。話にダレル所がなく、読者を離脱させない工夫が随所に見られます。それについては後述しますが。
で、
ファンの中には
「粗削りな出来ながら、視聴者に考える余地を与えている5センチメートルの方が好きだ」
と言う人もいるのですが、
僕自身は新海誠にわかなのか、こちらの方が胸に落ち、余韻の残る作品だったなと思っており、素直に良いと思わされました。
ただ、映画なんて、にわかを感動させてナンボみたいなところがあるので、日本中のにわかを感動させた君の名はやはり名作といって間違いないと思います。
中には、思考停止で名作呼ばわりするな。
というファンもいますが、250億売れる作品なんてどうあがこうが名作なんてすよ・・・。
君の名は感動する作品で、間違いなく名作だと思います。でも、悪く言う人はいるだろうな・・・
まあ、冒頭に書いた通り君の名はかなりの名作だと思っています。
面白いし、見ていて飽きません。
で、僕はこの作品はどういった人が楽しめるのかと。考えたのですが、
仕事柄で何かしらのサービスを提供している人は普通の人よりも面白いと感じるのではないか、と思っています。
何かしらを作って、お客さんに提供している人間の目からすればこの作品で使われる演出や技法はマーケティング成功のための宝庫になっていると思います。
ブランディング、音楽の入り方、設定の作り方、伏線回収のタイミング。基本に忠実でいながら、見ている人間の予想を裏切る展開。
外道にずれながらも、かといって、王道を外さない。
見ている人間が、納得しながらも、後味が悪くならない。最終的に感動できる落としどころがあらかじめ組み立てられているのです。
感動する甘酸っぱい物語の裏には、ち密で強靭な策略が張り巡らされてる、実に計算高い作品なのです。
新海誠は映画監督でありながらも、ある意味ではマーケター的な部分もあるのかもしれません。
だから、250億円もの売り上げを記録できたわけで。
いやらしい話をしたが、それでも尊い作品だと思っています。
とまあ、若干いやらしい話をしましたが、一人間としてちょっとだけ感情移入できる部分がありました。僕自身は結構、理屈的な部分があり物事に対して、いちいち「理」を求めるのですが、そんな僕でも応援したくなるような内容でした。
とにかくは健気な作品です。
打算的な部分があると言いましたが、それは決して「におわせない。」そこはやはりプロが作った作品なのです。
人間の最も尊く強い部分を刺激してくるのだ。
人間の感情で最も尊いのが「応援したくなる感情」だとおもいます。
たとえば、災害にあった地域の寄付金には億というお金が集まります。またプロスポーツを見ていても、被災地を拠点にしている球団はその年何かと強かったりします。
こういった感じで客観視していますが、僕自身その昔、震災に2000円ほど寄付した経験があります。そのときは高校生だったので結構手痛い出費でしたが、それでもなんというか、
寄付した方が良いな。
と思ったのでしました。
理詰めで考えている僕みたいなやつでもこうやって、頑張ろうとしている人を応援したくなる感情があるので、世間の人はもっとそういった感情があるのだと思います。
まあ、そういった応援したくなる感情と、君の名はに出てくるキャラクターを応援したくなる感情はまた別のモノがあるのかもしれませんが、それでも人間何かを応援しているときに、気持ちを動かされるのだと思います。
三葉と瀧君はすごく尊い!
三葉と瀧君が、お互いを必死に求め合っているのにすれ違い、それでも徐々に距離を縮めようと、今できる力をもって健気に頑張ろうとする。
その姿に多くの人は、胸を打たれたのではないでしょうか。人生においてそこまで良い恋愛をしてこなかった人や、今現在そこまで上手くいっていない人でも、こういった健気に頑張る姿は多分応援できるし、やっぱり
「頑張れ」
、と背中を押したくなる「何か」がこの作品にはあるのでしょう。ラッドウィンプスを流したり、すごくきれいな映像を使ったり、もろもろのすごさは光っていましたが、それでも多くの人が何に動かされたのかと言えば、僕としては
純粋さ
ここにあるのだと思います。
結局人間を動かすのは、そういった部分なのだと思います。理屈っぽい僕が言うのだから間違いないです。だから、ここまでの知名度と売り上げを記録できたのです。
君の名は繰り返しみたくなるか?僕は3度見ました。
君の名はリピーターで売り上げを結構伸ばした作品だっていうのを僕は聴いたことがあります。設定が凝っているので、そこを細部にわたってみるために、多くの人が繰り返し映画館に足を運ぶのだと言います。
それでも僕は短期間で繰り返し見ようとは思いませんでした。
全部で3回見たのですが、1度は映画館で、2度目はテレビで再放送で、そして3回目はVODサービスで見ました。
結論から言えば、僕自身は先ほど書いた通りだと思っています。
短期間で繰り返し見ようとは思いませんね。勿論、作品自体は面白く、かなり完成度が高いのですが、かなり綺麗にまとまっているのか。そこがなんていうか、性癖に刺さらないのです。
性癖という言い方は、あまりよろしくないと思いますが、映画好きに限らず何かしらのオタクには「性癖」があると思います。
そういった性癖に刺さる作品というのは、なんと言うかあまり有名になりづらいのですが、それでも僕が繰り返し見る要因としてはこれが大事なのですが、なんと言うか君の名は、
溺愛できないキレイすぎる女優さん
もっと言うのならば、
おいしいんだけど、通い続けるかどうかは微妙なレストラン
みたいな印象を受けました。
それでも、周りを見ると、滅茶苦茶いいと言う人がたくさんいるので、やっぱり僕にはブッささらない何かがあるのだと思います。
つまるところ、結論は当たり前で、これを見る人にあうのかは分かりませんし、もしかすると、良すぎて中毒になるかもしれないということです。人それぞれです。
それでも、君の名には見た人全員に「面白い」と言わせる力はある。
売れる作品というのは、好き嫌いは置いといて
見ている人間の必要最低限の合格ラインをクリアする力
があるのだと思います。
君の名はまさしくそういった作品なのかもしれません。それに加えて、とある人種には性癖にぶっ刺さる属性を持っているので、
- 好きな人間
- まあ、見てみようと思う人間
この2属性の人間を日本全国にたくさん作り出すことが出来たわけです。
売れる作品というのは、少なからず口コミの力も後押しすることになるのですが、見ている人間が少なからず面白いというのであれば、多分その口コミを見た人間は
「まあ見てやるか」
という気持ちになるのではないかと思います。
で、その中で
すごく面白い
といった人間が、口コミを拡散する。
すると、
まあ見てやるかに属する層の人間は映画館に足を運ぶ。
それの連鎖でここまでの売り上げを記録したのが君の名は。という一作品であると僕は結論づけたのですが、いかがでしょうか。
最後に、君の名は。を見た方が良い?感動する?
教養として見てみればいいのではないでしょうか。僕はラッドウィンプスの大のファンなのでまずそこで映画館に行こうと思った人間です。
ただ、その時からマーケティング系の仕事をしていたのか、職業柄的に「そういった目」で君の名は。を見ることになった部分もあります。
そういった人間からすれば、いろんな角度から見れて勉強になる作品だと思います。
量産型「君の名は」の惨劇を見ると
しかしながら、君の名は。がヒットした以降は、君の名はの量産型作品が結構出てきて、ことごとくこけていきました。
となれば、やはり先駆者であそこまでの大ホームランを打った、新海先生はかなりのやり手なんだなあと思わされるし、
君の名は。という作品は新海誠を初めとする優秀なスタッフ無くして成立しなかった作品なのではないか。
と、一映画ファンは思わされる部分もあります。
ということで、娯楽的教養を磨き上げるうえで一度見てみるといいと思います。漫画ファンならば多分、ドラゴンボールとワンピースは「とりあえず」一度は見るだろうと思いますし、スポーツが好きな人はとりあえず、野球の試合とかサッカーを見てみるものだと思います。
まあ、そんな感じでアニメ映画の歴史の一ページに載った作品がどういった出来なのか?
その目で見たい人は視聴してみても、損はないと思います。
少なくとも、つまらないことは絶対にない。
それ程素晴らしい作品です。
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