進撃の巨人において、もっとも有名な敵キャラと言えば超大型巨人ではないかと思います。基本的にコラボをするのであれば、この超大型は欠かせません。
リヴァイと並んで、諌山先生の稼ぎ頭でありドル箱と言えるかもしれません。そう考えれば、破壊の神ではなく救いの神です。
進撃の巨人で最強を誇るリヴァイアッカーマンの概要。戦績、名シーン、能力について。曇らせ続けられるも生き残った怪物。
ポケモンで言うピカチュウ、ディズニーで言うミッキーマウス、それぐらいの知名度を誇るのが超大型巨人ではないかと思います。
ただ、それらエース格のマスコットキャラクターはだいぶ事情が違います。
物語の深層に堀進めるごとに
「超大型は驚異の一つでしかなかった」
ことが理解できます。
それを踏まえたうえで、今回は進撃の巨人における超大型巨人について掘り下げていきたいと思っています。
超大型巨人の継承者:ベルトルト・フーバー
超大型巨人の継承者はベルトルトフーバーであり、彼はライナー・ブラウン、アニ・レオンハートとともに壁内人類に紛れながら過ごしていました。
(壁内に入って数年は居候として過ごしていたようです。)
ベルトルト自体は頼りない立ち振る舞いをしているのですが、評価は非常に高く、ライナーからも
「お前は誰よりも高い能力がある」
と評されていましたし、マーレ軍からも超大型巨人を継承するベルトルトに対して
「フーバーなら使いこなすだろう」
と言われています。
超大型巨人の力をいかんなく発揮していたようで、要所要所で特性をうまく使いこなし、パラディ勢力に対し最大限の被害を生み出していました。
(壁を蹴り破る、熱風の範囲攻撃で大量の兵士の命を奪うなど。)
そう考えれば、やはり優秀なのでしょう。
一見するとシンプルな能力である超大型ですが、動きが遅く使いづらいが故にその場その場での判断力が求められます。そういった意味において抜群の安定感で運用していたと考えられます。
アルミン・アルレルト
また、アルミンも超大型を継承します。
こちらもベルトルト同様に破壊の力を存分に引き出していたかと思われます。
軍港では、熱風を利用してマーレ軍に上手く奇襲を仕掛けていました。そのときは壊滅的なダメージを与えています。
こうして考えてみると、超大型巨人は頭が切れる人間が向いているのかもしれません。
使い手の能力がどれだけ低かろうが、どうせ体はデカくなってしまい、正面勝負では負けることがないので、それならば使い手の能力が優先される感じでしょうか。
超大型巨人の能力、強さ、見た目について
まず、見た目に関して言えば筋肉を露出させており、ちょうど人体模型のような風貌と言えるのではないでしょうか。
そして、その体躯は名前の通り非常に大きいです。まさしく「巨人」と言える体格を持ちます。
その体長は「壁」の高さを上回る60メートルを誇り、壁内人類をのぞき込むことが可能です。
巨人の侵略なんて過去の物だ。
と思っていた人類にとって、これほどまでに大きな巨人が見下ろしていた風景は絶望以外に何もないと言えるでしょう。
能力、強さ
その体格から繰り出される蹴りは文字通り、あらゆるものを蹴散らします。
壁の扉であれば、一発でぶち抜き、同じ知性巨人でも遥か彼方に蹴り飛ばす馬力があります。
まさしく「デカさは正義」を体現した巨人です。
作品中盤から後半にかけては、恐怖心が薄れていった感じはありますが、それでも強力なことは変わりなくマーレからは
「破壊の神」
とまで呼ばれています。
それだけではなく、広範囲にわたる熱風攻撃は接近してきた敵を遠ざけることにも使うことが出来るし、さらには出力を上げることで熱で焼き切ってしまうことも可能です。
まさしく攻防一体の切り札ともいえる戦術です。
敵陣に大打撃を与える、「切り札的運用」が出来ます
デカくなって体格差で圧倒するという戦略だけでも十分に強い巨人ではあります。
しかし、使い手の機転の利かせ方次第では敵の損害をより大きく膨れ上がらせることが可能になる巨人です。
戦争がボードゲームだとするのであれば、超大型の一手によって盤上をひっくり返すことが可能であると言えます。
特に敵が群がっている地帯での運用においては、「悪魔的な戦果」を叩きだすと言え、作中においてはトップレベルに犠牲者を生み出した巨人ではないでしょうか。
まさしく
「破壊の神」
にふさわしい巨人であり、9つの巨人の中において、特殊なケースがない限りはもっとも攻撃力のある巨人ではないかと思われます。
超大型巨人の弱点について
弱点であるうなじを切ろうにもデカすぎて届かない。仮にチャンスがあっても熱風で逃れられる。
そういった風に考えれば、弱点がない最強の巨人のように思われるかもしれませんが、実は弱点が多い巨人でもあります。
動きが鈍いは見た目通りの弱点ではありますが、それ以上に体力がないと言うのが一番の弱点であると言えます。
デカすぎる体と高熱を保ち続けるため、消費エネルギーは非常に大きく、長時間の戦いに向いていないところが弱点です。
そのため戦う際には早期に敵を全滅させるか、巨人化をして満足のいく被害が出たのを確認したのであれば、早めに巨人化を解き物陰に身を隠すことが必要です。
また熱風の範囲が広すぎることも一つの弱点で敵の攻撃を防ぐために作った熱風がブラインドとして機能し、敵の接近に気づかない場合もあります。
熱風は便利すぎるが故に、その性質を見誤ると自身の命すら、脅かしてしまう諸刃の剣です。
超大型巨人の名シーン、戦闘シーンについて
ここからは、超大型巨人の戦闘シーンから振り返る名シーンについて振り返っていきたいと思います。1巻から振り返っていくので懐かしさを感じながら読んで行ってもらえればと思います。
1.しょっぱなの登場
超大型巨人の名シーンと言えば、これしかないと思います。
壁内人類が100年越しに巨人の恐怖に震えながら生活をしなければならなくなった元凶。それを作ったのが超大型巨人です。
人類を守り続けてきた壁の扉を蹴り一発でぶち抜きました。「質量による攻撃はシンプルながら強力である。」ということでしょう。
このシーンはとてもインパクトがあるシーンで、人類という存在がいかにちっぽけで、弱い存在であったかをおもい知らされます。
あまりのインパクト故に連載初期は超大型巨人がラスボスなんじゃねえの?と思っていた人も多いのではないでしょうか。
2.鎧の巨人の援護
超大型巨人がただデカいだけの巨人ではない、と示したのがこちらのシーンではないかと思います。
デカくて質量があるということは、それを利用して様々な作戦を立てられる、ということであり戦略の幅は使い手によって「無限の広がり」を見せるのです。
壁の下で組み合っていて、関節技を決められていたライナーに対して頭だけを落として締め落とされるのを阻止しました。
体がデカいということは、体の一部一部が兵器になりうるということです。
3.調査兵団に壊滅的被害を与える
ここも超大型の脅威を印象付ける名シーンだったのではないかと思っています。
ウォールマリアを奪還しに来た調査兵団が一か所に集まっていた際に、最大出力の熱風を使い爆発にも近い範囲攻撃を行っていました。
その威力は爆心地にきのこ雲が残るぐらいで、熱による攻撃はどれだけの精鋭でも逃れようがありません。
それによって、熟練の手練れであった調査兵団のほとんどが返らぬ人となりました。相手の戦術を根底的に叩き潰す暴力的な破壊力を生み出したシーンです。
4.VS進撃の巨人
進撃の巨人と1対1で対峙した際、足元にすがってくる進撃の巨人を蹴り飛ばし、壁の上段までぶっ飛ばしています。
5.VS進撃の巨人
また、物語の終盤においては超大型を継承したアルミンと、超大型並みに体長がある進撃の巨人が1対1でタイマンをしています。
このシーンは
「あくまでもエレンにとって立ちはだかる巨人は、超大型巨人であった」
ということを表しているのではないか。と個人的には思ったりします。
まとめ:誰が使っても強いが、使い手が優れていればより高いパフォーマンスを引き出す、お手軽巨人
超大型巨人はどう考えても強い巨人です。
僕たちがアリや蚊と勝負して、決して負けることがないように、体格の差とはあらゆる生物の争いを決定づける要素になると思っています。
そういった風に考えれば、超大型巨人は誰が使っても強いお手軽最強巨人ではないかと思います。(実際に超大型巨人を模したせき髄液には『サイキョウノキョジン』と明記されています)
どういった人間に継承させるか?
どういった人間に継承をさせるのかは、一つのポイントになりそうですね。
誰が使っても強いので、凡庸な兵士に継承させるか。それとも、あらゆる戦局において最大の被害を生み出すために、優秀な戦士に継承させるか。
その辺は人材の台所事情によって変わってくるかと思いますね。当時のマーレ軍は優秀な人材がそろっていたので、それなりに優秀なベルトルトが継承しました。
しかし、そこまでいい人材が揃っていなかったら、一山いくらの凡庸な兵士が継承することも考えられます。
気になる部分
個人的に、アルミンよりも戦略において明るいエルヴィンが継承していたら、どうなっていたのかが気になります。
エルヴィン団長はアルミンよりもずっと非情な選択が出来る人間なので、より大きな被害をマーレ側に与えることが出来ていたのかもしれません。
最後に
超大型巨人について掘り下げていきました。
圧倒的なインパクトは読者を引き込むうえで、これ以上ない役割を持ち、原作の世界では「破壊の神」と呼ばれていたと思いますが、諌山先生からすれば「救いの神」と言える存在だったのではないでしょうか。
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