チェンソーマンの中でも、最強クラスの悪魔である
銃の悪魔。
マキマは、作中序盤からずっと銃の悪魔を倒そうとしていました。
それはなぜなのか、個人的に考察してみようと思いました。
まず、マキマがどういった人物か、振り返ってみよう
そもそも、マキマがどういった人物なのか。
単刀直入に言いますと、
支配の悪魔
です。
悪魔の力は、恐れられるほど強力になる、という特性があります。
「支配」とは我々人類が普遍的に恐れるものであり、その支配がもととなっているマキマは相当な力を持ちます。
マキマがやりたかったこと
マキマがやりたかったことは、作中の言葉で引用すると
最悪の平和
これを訪れさせることでした。
これについては、後述するので一旦おいておき、チェンソーマンとマキマの関係性について書いていきます。
チェンソーマンについて。
チェンソーマンは悪魔の中で恐れられる存在です。
強さも恐れられる理由ですが、それ以上に恐れられるのは
チェンソーマンに食べられた悪魔は存在そのものが、なかったことになる
ということです。
どういうことか?
例えば、
日曜日の悪魔
がいたとして、この日曜日の悪魔がチェンソーマンに食べられてしまうと、我々の世界では日曜日が無くなってしまうのです。
その概念をもとにした悪魔を食べることによって、存在自体を抹消してしまう。
それが、チェンソーマンの能力です。
過去にはチェンソーマンが食したものとして、エイズ、第二次世界大戦、ナチスドイツ、などがありました。
我々の世界ではおなじみの言葉ですが、あの世界ではチェンソーマンが概念ごと食してしまっているので、なかったことにされています。
マキマがやろうとしていること
マキマがやろうとしていることは、
戦争、死、餓死
など、多くの人間を苦しめる概念をチェンソーマンに食べてもらうこと
でした。
つまるところは、
誰もが苦しまない素晴らしい世界を作ってやろう
ということです。
そういったマキマの目論見を各国首脳は恐れていたので、マキマを倒すためにサンタクロースやクァンシと言った刺客を日本に送ってきたのです。
各国の首脳が、こぞってデンジの心臓を狙っていたのは、マキマとチェンソーの心臓が揃うことを防ぐためです。
チェンソーマンはデンジと契約をしていたので、マキマがチェンソーマンを支配しようとしてもそれは無理です。
しかし、デンジがチェンソーマンと契約破棄をした場合は、チェンソーマンはフリーになります。
このチェンソーマンを倒すことが出来た場合、マキマは「支配の力」でチェンソーマンの能力を好きに使うことが出来るのです。
そうすると、世界の秩序がおかしくなり
最悪の平和
が訪れてしまうから、世界中はあらゆる手を尽くして、戦っていたのです。
銃の悪魔と各国首脳
最悪の悪魔と言っていい、銃の悪魔も同じくです。
マキマを倒すための切り札として各国は温めていました。
マキマが銃の悪魔を倒そうとしていた理由
ここで疑問になるのですが、
マキマの目的はチェンソーマンの心臓一つだったはず
なぜ、作中序盤から銃の悪魔を倒そうとしていたのか?
これについて、見出した答えは、次の通り。
銃の悪魔を支配したかった
個人的にはこれが一番しっくりくるような気がします。
勿論、世界各国がマキマのことを恐れており、マキマを倒す最終兵器が
銃の悪魔だった
ということもあります。
自分の夢を実現するためには、最大の障害となるわけですから、銃の悪魔を速いうちに倒しておいて越したことはありません。
しかし、本当の理由は
銃の悪魔が持っている圧倒的な能力を欲していたから
ではないかと思っています。
マキマの最終目標を達成する上で必須なもの。
マキマが「最悪の平和」を実現するための必須事項は
チェンソーマンを倒すこと
これなのです。
マキマの「支配の力」を行使するには、相手を倒し、格下にする必要があります。
しかし、チェンソーマンは圧倒的な力を持ち、マキマ自身も作中で
勝てる気がしない
と語っています。
そこで、あの手この手を使って、チェンソーマンを追い詰めていくのですが、その中の手段としてマキマは
銃の悪魔の力を使っているのです。
マキマが銃の悪魔の能力を手に入れたシーン
マキマは、コミックス9巻で銃の悪魔の討伐の成功します。
この話以降、マキマがよく使う攻撃手段として
手でピストルの形を作り、バーン、と口で言うことによって、とんでもない威力の衝撃波を打ち出す
というものが描かれるようになったのです。
作中では描写されていないのですが、これは銃の悪魔を討伐することによって身に着けた能力ではないか、と考えられます。
そして、この能力をマキマ自身、チェンソーマンを討伐する際に多用していたりします。
この能力によって、チェンソーマンの体力を大分削っているので、やはり銃の悪魔を討伐して正解だった、ということになります。
最終的に、この力でチェンソーマンを大気圏まで飛ばすことに成功しているので、とてつもない力であることが分かります。
結論、マキマが銃の悪魔を倒したがっていたのは、強化素材に使うため
作中序盤から、ラスボスっぽい演出で描かれていた銃の悪魔。
圧倒的な攻撃力と速度は多くの読者にインパクトを与えたことでしょう。
しかし、マキマからすれば、強化素材としてしか見ていなかったのではないでしょうか。
銃の悪魔の力は、速く無駄がなくそれでいて、強力です。
チェンソーマンを倒すための切り札として、ぜひとも持っておきたいはずです。
そういったこともアリ、作中序盤から公安に対して銃の悪魔の肉片を集めさせ、銃の悪魔本体の場所を突き止めようとしていたのではないか。
と思ったりします。
最終的にマキマは
結局、一番犠牲が出る形になっちゃった
と語っていることから、出来れば、アメリカが強硬策で出てほしくはなかったのではないかと推測します。
マキマ自身は「人間が好きである」、という発言をしており、傷つけることに対して抵抗があるようでした。
しかし、各国の刺客がことごとく返り討ちにあうために、世界は焦り、その中でも
「自由の国」
とされるアメリカが立ち上がる形となりました。
アメリカ大統領は
アメリカ国民の寿命1年という、とてつもない代償をもとに銃の悪魔を召喚しました。
結果、返り討ちにあってしまう。
その結果、返り討ちに遭ってマキマはこれと言ったダメージを負わずに銃の悪魔を支配下に置き、その力をいつでも発動出来るようになった。
これが、マキマが銃の悪魔と接触しようとしていた件の真相、および、落としどころではないかと思ったりしています。
正直、合っているかどうかは分かりません。
それでも、考察としては、それなりにいい線を言っているのではないでしょうか。
まあ、考察なんて、一読者の楽しみですから、大目に見てもらえればうれしいです。
最後に、銃の悪魔とマキマの関係性で良く言われている話をして終わりです。
おまけ、良く言われている考察
最後にちょっと面白い考察を紹介します。
これは、言葉遊びなのですが、
支配の悪魔であるマキマに対して、対義語になる銃(じゆう)の悪魔をぶつけた
というものがあります。
これに関して、こじつけ説と、作者が狙って書いた説の2つがありますが、僕的には後者の作者が狙って書いた説を推したいと思っています。
というか、これは確定的ではないでしょうか。
銃の悪魔は作中において序盤からずっと出てきた悪魔であり、討伐することが一つの目標となっていました。
そして、銃の悪魔が関わる話において必ずと言っていいほど、マキマが出てきます。
作者がこの2体の悪魔を何かしらの対立や因果でつなげたい気持ちは、作品を通して読み取ることが出来るのです。
そして、コミックス9巻でマキマが
支配の悪魔
であることが明かされました。
すると、考察班はすぐにピンときたようで、
自由VS支配
この構図で、対立させているんじゃないか?
と言う発想に至ったわけですね。
僕は普通に読んでいるだけ、そんなことも考えもしなかったので、この話を聴いたときには少し鳥肌が立ちました。
この作品は、これ以外にも繰り返し読むと、分かってくる作者の真意があるので、全巻読んでも中々飽きずに楽しむことが出来るのです
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