進撃の巨人に登場する戦槌の巨人は、9つの巨人の中でも特別な能力を持っていることが作中では描かれています。
また、その継承の歴史についても普通の巨人とは様相が違っているようで、解説を求めている人も多いのではないかと思います。
それを踏まえたうえで今回は戦槌の巨人の能力や歴史、能力、代々の継承者について紹介していきたいと思っています。
戦槌の巨人の能力や特徴
一言で言えば武器を使って戦う巨人です。
普通の巨人の攻撃手段と言えば、噛みついたり、関節技をかけたり、タックルしたりなど肉弾戦に特化したものが多いです。
しかし、戦槌の巨人は硬質化の能力を器用に扱うことが出来るために、それで武器を作り出し、それを自在に操ることで戦闘することが可能です。
武器の種類
名前の通り、槌を作ることはもちろんのこと、剣や弩なども作成することが出来ます。
接近戦がメインである対巨人において遠距離・中距離の攻撃を仕掛けることが出来ます。
リーチが長く、一方的な攻撃を仕掛けることが出来るために、戦闘力に関しては他の巨人の一手先を行っているような風味があります。
作中においても
「進撃をものともしない」
といったセリフが出てきているので、これは間違いないと言っていいでしょう。
地面からはやすことも可能です。
また、地面に小さな推を無数に生やすことによって、まきびしのようなトラップを作ることも可能ですし、動けなくなった相手に対しては、同じく地面から大きな槍を生み出し勢いそのままに貫くことが出来ます。
武器のレパートリーの多さゆえに戦場においては臨機応変に対応できると言えます。
能力の正体や弱点について
戦槌の巨人が他の巨人と一線を画す点は、
「うなじを破壊されても活動を停止しない。」
というところにあります。
これの種明かしとしては、戦槌の巨人自体も硬質化で作られた巨人であるからです。
本体である戦槌の巨人は地中に潜っており、硬質化の結晶によって自身を守っています。
そこで、巨人を操っており、状況に合わせて武器を作ったり、地面から武器を生やしたりすることで、敵を倒す。ということになります。
これが生き続けている限りは体力の限りまで巨人や武器を作り続けることが可能です。
決定的弱点
そこから浮かび上がってくる弱点としては、本体の場所を突き止められれば、戦況は一気にひっくり返されてしまう。ということです。
戦槌の巨人は本体をうまく隠すことが出来ず、本体と操る巨人が線でつながっています。なので冷静に戦って目を凝らしてみれば、本体の居場所もすぐにばれてしまいます。
また、燃費についてもそれほど良くはないようです。
対、進撃においては巨人化回数の優劣によって敗北していることが伺えます。
結晶化の弱点
ちなみに結晶化の弱点は以外にも顎の巨人にありました。
顎の巨人の顎は結晶化もこなごなに砕いてしまうようです。
それによって、戦槌の巨人はエレンへと継承されてしまいました。
戦槌の巨人の継承者と使われ方。
戦槌の巨人の継承者は作中では2人明かされており、一人はタイバー家のラーラ・タイバーです。
そしてもう一人はそれを殺害し、脊髄液を摂取したエレン・イェーガーになります。
ラーラ・タイバー
本来は兄であるヴィリーが継承するはずでしたが、自らの使命のために継承を拒否します。その結果、妹であるラーラが継承することになります。
この継承については人格者だったヴィリーは悩んでいたようですが、ラーラ自体は受け入れている様子でした。進撃によってヴィリーが殺害された際は
「…兄さん タイバー家の務め… 大…変… …ご立派でした」
と、心からの敬意を込めていることが分かり、兄妹間の信頼関係はかなりモノだったことが推測されます。
エレン・イェーガー
マーレを強襲した際に、機転を利かせて捕食することに成功します。
その後、戦槌の地中に潜ることが出来る能力を脱出することに活用しました。
一見すると地味な使い道ですが、この脱出が物語を大きく転換させるきっかけになったと考えれば、非常に大きな働きであることが分かります。
その後、「天地の戦い」の際は、自身の体から歴代の知性巨人を生成するうえで戦槌の力を使っています。
始祖の巨人の力をかけ合わせることにより、この上なく強力な能力になっています。
戦槌の巨人の歴史について。【タイバー家の歴史】
タイバー家とは、100年前の巨人大戦において、エルディアに反旗を翻したユミルの民の一族であるとされています。
マーレの英雄であるヘイロスと手を組むことによって、エルディアを出し抜くことに成功。
その後終戦に導いたとされます。その過去の歴史もありエルディア人でありながらマーレ国内において大きな権力を持っており、その力は国内だけでなく国外にさえ影響を与えるほどになっています。
タイバー家当主ヴィリー・タイバー
アニメ63話「手から手に」では、世界中に敵を作っている立場にありながらも、世界各国の要人と親密な関係を築いていることが描写されています。
作中においては珍しい、この上ない人格者であることが分かります。
作中においてヴィリーが出した結論について
マーレの一貴族として、偽りの歴史を背負い、その立場を甘んじていたタイバー家でしたが、現当主であるヴィリータイバーは決断を下します。
(アニメ64話「宣戦布告」)
それは、
- 巨人大戦の真実を伝えること
- 現時点でパラディ島が抱えている危険性
これは巨人大戦において大きな戦果を挙げたと、世間に評価されているタイバー家だからこそ下すことが出来る決断でした。
ヴィリータイバーが伝えた巨人大戦の真実について
巨人大戦は世界史で語り継がれるほどの、凄惨な戦争でした。そしてその戦争を終わらせたのは
- 戦槌の巨人を継承したタイバー家
- マーレの英雄ヘーロス
であると、語り継がれていたのですがヴィリーは劇団の上で、
「それは偽りの歴史である」
と、宣言します。
「巨人大戦を終わらせたのは、タイバー家でもなく、英雄ヘーロスでもなく始祖の巨人を継承したフリッツ王である」
と。
そして、
「むしろ世界中から非難を浴びていたフリッツ王によって世界は平和に保たれている」
とも、世界各国の前で宣言しました。
これは、自身の立場を脅かす発言です。しかし、ヴィリーは今現在迫りくる脅威のために、自らを犠牲にしながら宣言しました。
その背負わされた大義に対してヴィリーは
「重すぎる」
とも語っています。
現時点でパラディ島が抱いている脅威
「現時点でパラディ島が抱いている脅威。それこそがエレン・イェーガーである。」
そうヴィリーは宣言します。
フリッツ王は自らの過ちに対して不戦の契りを作り、王家の血を引く物にはその思想を引き継ぐようにしたのですが、エレンはその思想を受け継ぎません。
「反乱によって王政が打倒された中で、世界を滅ぼす力を持った今のパラディ島を打倒しなければならない。
そうでなければ、「地ならし」によって世界が滅ばされてしまう。」
「強大な敵を打倒するために、世界は一つになる時だ」
それを、民衆の前で宣言します。
色々なしがらみと闇を抱えているのがタイバー家と戦槌の巨人でした。
ということで、タイバー家に代々継承されてきた戦槌の巨人について書いていきました。巨人大戦から現代において、非常に歴史のある巨人です。
その中で歴史の闇を抱え、それを公表せずに現代まで甘い汁を啜っていた一族であるともいえます。
実際に初見で見た時は、
「タイバー家は自分たちに都合のいいことばかり言っているな。」
という印象が強かったのです。
ただ、改めてみてみるとタイバー家はタイバー家で「そうするしかなかった」という部分が結構見えてきたりするのです。
そういった中でヴィリーはけじめをつけるために、貴族である己の立場をおびやかすリスクを負いながら宣戦布告をしました。
世界各国の要人が見送る中で、大義を果たしたわけです。
勿論、顔も声も聴いたことのないパラディ島を滅ぼす、という話を正当化することはどう考えてもおかしいです。
それでも、全ては、
仕方がなかった
わけです。
進撃の巨人という作品はそういった「仕方がないこと」「どうしようもないこと」これが連鎖する中で話が展開されており、その中で葛藤するキャラクターが描かれています。
そのなかで、考えさせられる内容になっています。
大人になった人はそういった意味で進撃の巨人を見てみても良いのかもしれません。すると、相手の立場を考えて行動できるようになったりします。
人間は誰しもが過ちを犯しますが、その中にはごくたまに「仕方なくやった過ち」があったりするわけです。
今回はヴィリー家の過ちについて書きましたが、主人公のエレンも殺戮という最低最悪の過ちを犯しています。
ありがとう、僕たちのために・・・殺戮者になってくれて・・・
肝の最悪の過ちは無駄にしないと誓う
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