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2016年に発売されたイギー・ポップ最後のアルバムとも噂されている「POST POP DEPRESSION」。イギーが自費でレコーディングを計画し、自らQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・ホーミにプロデュースを打診したところから始まったこのアルバムは、イギー・ポップ名義作品でも最大級のヒットのひとつとなり、またアルバムに伴うツアーは全公演ソールドアウトとなる成功をおさめた。
2016年に劇場公開されたストゥージズとイギー・ポップの映画『ギミー・デンジャー』が大きな話題となったが、本映画はそのイギー・ポップとQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・ホーミとのコラボレーションを綴る最新映画である。コラボの始まりから初のデモ音源レコーディング、アルバムのリリース、そしてロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのライヴまでを追ったドキュメンタリーであり、全世界21ヶ国で上映され、いよいよ待望の日本上陸となる。
『アメリカン・ヴァルハラ』はイギー・ポップとQUEENS OF THE STONE AGEのフロントマン、ジョシュ・ホーミの音楽の旅を再訪する作品である。ジョシュ・ホーミとアンドレアス・ニューマンの共同監督による本作は、イギー・ポップの最新アルバムである「POST POP DEPRESSION」(2016年作品)として公のものとなった奇跡的なコラボレーション、そしてその後のツアーの模様を綴る。同じ感覚のミュージシャンがコラボしたとき、そこには特別なことが起こる。生まれながらにして同じ感覚を共有していた者の合体は、究極の芸術的完成度を開花させた。ジョシュ・ホーミは幼い頃イギー・ポップによる『レポマン』のサントラを毎日爆音で聴き、それがきっかけでギターを手にし、自身のロックンロールを奏でることとなった。数十年後、彼は憧れの存在から突然のコンタクトを受け、楽曲の共同作業を打診される。当初はカジュアルなものだったこのコラボは結果、両者にとって「POST POP DEPRESSION」という金字塔的なものとなった。本作はイギー、ジョシュのほか、QUEENS OF THE STONE AGEでジョシュのバンドメイトであるディーン・フェルティタ、そしてARCTIC MONKEYSのドラマーであるマット・ヘルダースの4人が、外部と完全に遮断されたモハベ砂漠のど真ん中で、一切関係者にも知られることなく作曲、レコーディング作業を行った様子を映し出していく。
1947年生まれ、御年70歳。1967年にザ・ストゥージズを結成。1969年、デビュー・アルバム「イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ」を発表。1977年、デヴィッド・ボウイのプロデュース・作曲でソロ活動を始動。ボウイプロデュースの2枚目「ラスト・フォー・ライフ」のタイトルトラックは、1996年に公開された映画『トレインスポッティング』のオープニングに使用された。現在までにザ・ストゥージズとして通算5枚、ソロとしては17枚のスタジオ・アルバムを発表。50年近い音楽キャリアを誇り、セックス・ピストルズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど後世のビッグ・バンドに多大な影響を与えた。近年ではフジ・ロック・フェスティバル'07で来日している。2010年にザ・ストゥージズとして、ロックの殿堂入りを果たした。2016年3月にリリースした「ポスト・ポップ・ディプレッション」ではUKアルバム・チャート初登場3位、USアルバム・チャートでは17位という自身最高位を獲得。
1973年生まれ。15歳の時に学校の友人とバンドを結成、ジョシュ・ホーミはリード・ギターを担当。後にこのバンドはカイアスとして知られる。カイアス解散後、1996年クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジを結成。1998年にはイーグルス・オブ・デス・メタル結成。2008年には、アークティック・モンキーズとフェスティバルで共演、その縁もありアークティック・モンキーズのアルバム「ハムバグ」(09)ではプロデューサーとバッキング・ボーカルを務めた。2009年には、フー・ファイターズのデイヴ・グロール、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズと共にゼム・クルックド・ヴァルチャーズを結成。同年11月にファーストアルバムをリリース。2013年にはアークティック・モンキーズのアルバム「AM」で再びバッキング・ボーカルを務めた。2016年、イギー・ポップのアルバム「ポスト・ポップ・ディプレッション」に参加。自身のスタジオにて制作し、同アルバムのプロデュースも務め、ツアーにも参加した。本作『アメリカン・ヴァルハラ』ではアンドレアス・ニューマンと共に監督も務めている。
1986年生まれ。2002年にアークティック・モンキーズを結成、ドラム、バックボーカルをつとめる。元々ラップ音楽に影響を受け、さらにクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのライヴがその楽器演奏に最も大きな影響を与えたと公言している。ほかにはザ・ハイヴスやデュラン・デュランの楽曲のリミックスを手掛けるほかDJミックスCDのコンピレーションも行っている。
1970年生まれ。Reigndanceのメンバーとして活躍。97年に自身のバンドとして、ザ・ワックスウィングスを結成。解散後、高校時代からの知り合いだったブレンダン・ベンソンのバンドにキーボードで参加。2008年、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジに加入。さらに同時に2009年にはザ・デッド・ウェザーを結成、作品のリリースやツアーもこなし、またイーグルス・オブ・デス・メタルではヘルプでベースをつとめたこともある。ソロ作品も発表するなど、マルチな才能で精力的に音楽活動を行っている。
96年、伝説のバンド、カイアスのギタリストとして活躍したジョシュ・ホーミによりカルフォルニア州パームデザートで結成。現在のメンバーはジョシュ・ホーミ(Vo,G)、トロイ・ヴァン・リューウェン(G)、ディーン・フェルティタ(Key,G)、マイケル・シューマン(B)。02年の3rdアルバム「ソングス・フォー・ザ・デフ」ではデイヴ・グロール(フー・ファイターズ/ニルヴァーナ)がドラマーとして参加、米でゴールド・ディスクを獲得し大ブレイク。05年の4thアルバム「ララバイズ・トゥ・パラライズ」は全米チャート初登場5位を記録しその人気を確固たるものに。07年の5th「エラ・ヴルガリス」ではナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー、ザ・ストロークスのジュリアン等豪華ゲストが参加し話題となった。09年にはジョシュがデイヴ・グロール、ジョン・ポール・ジョーンズと共にスーパー・バンド、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ結成、フジロックのメイン・ステージで圧巻のパフォーマンスを見せつけた。13年、6年振りに発表した6作目「ライク・クロックワーク」は全米初登場1位、全英初登場2位を記録。2017年にはマーク・ロンソンをプロデューサーに迎え7作目「VILLAINS」をリリース、フジロック’17で来日した。
2002年結成、英シェフィールド出身の4人組バンド。メンバーはアレックス・ターナー(Vo)、ジェイミー・クック(G)、マット・ヘルダース(Dr)、ニック・オマリー(B)。2006年「ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット」でアルバムデビュー。全英チャート、ビルボード・インディー・チャートなど、初登場1位を制覇。07年2ndアルバム「フェイヴァリット・ワースト・ナイトメアー」を発表。同年8月には史上最年少&最速でサマーソニックのヘッドライナーに抜擢される。09年、3rdアルバム「ハムバグ」を発表。日本武道館での来日公演を超満員にした。そして2011年、4thアルバム「サック・イット・アンド・シー」リリース。フジロック’11に初出演。2013年に発表した5thアルバム「AM」は全英1位を獲得。デビューから5作連続で全英チャート1位を獲得している。更に2014年にはサマーソニックのヘッドライナーを務めた。
1967年ドイツ生まれ。広告の世界で初めて写真家の道を歩み始める。自分でカスタムメイドしたカメラやレンズで撮影を行うようになり、広告と音楽の世界で全く新たなビジョンを提示することとなった。アンセル・アダムスやイタリアのバロック期の画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオに影響を受けた。ニューマンの写真は、定型でありながらも時代を超越した叙情詩的なイメージ、具体的で定期的な意欲と共に様々な事柄のコントラストを表現している。ペレ、レニー・クラヴィッツ、バリー・ボンズ、ドワイト・ハワードらとのフォトセッションのほかキャノン、アルファロメオ、ヴォーグなどの撮影もこなしている。2011年、アメリカの著名な作曲家、ダイアン・ウォーレンとのコラボレーションの後、ハーブ・アルパート「I FEEL YOU」のアルバムのジャケットを撮影。2015年にはメキシコのレスリング団体ルチャ・アンダーグラウンドのテレビ企画により多くを撮影、"Lucha : A Tribute"という本も出版。
 1969年のデビュー以来、半世紀近く“パンクのゴッドファーザー”としてロック界に屹立する淫力魔人イギー・ポップ。ジム・ジャームッシュ監督によるTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGESのドキュメンタリー映画『ギミー・デンジャー』はここ日本でも昨年夏に公開され、大きな話題を呼んだ。更に秋にはシンコーミュージックからイギーのムックが発売。今年の4月で齢71歳というイギーだが、その存在感と注目度はますます大きくなっているかのようだ。
 そしてイギー・ポップの話題はその後も途切れることなく続いている。ここに登場したのは、2016年の傑作アルバムにして、イギーにとって最後のアルバムになるのではと噂されている『POST POP DEPRESSION』…その制作と、リリースに伴って行なわれたロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにおけるライヴまでの過程をまとめたドキュメンタリー映画『アメリカン・ヴァルハラ』だ。
 『POST POP DEPRESSION』は、QUEENS OF THE STONE AGE他で知られる気鋭のミュージシャン、ジョシュ・ホーミをプロデューサーに迎えて作られたが、この映画もジョシュ自身が『POST POP DEPRESSION』のジャケット写真を撮影したフォトグラファーのアンドレアス・ニューマンと共同で監督を務めている。『POST POP DEPRESSION』のレコーディングはイギー・ポップもジョシュもお互いに探り探りでコミュニケーションをとりながら始まったモノだったらしい。それもあってか、当初はアルバムの制作過程を映像にすることは想定されていなかったという。
そのためレコーディングの光景は多くが動画ではなく白黒のスチール写真で構成され、それらをジョシュやイギーがレコーディングを回想するインタヴュー映像と組み合わせたような構成になっている(逆に、それがこの映画ならではの味になっているようにも思われるが)。

 『ギミー・デンジャー』は、最近のロック・ドキュメンタリーの常道(いろいろな人が大勢登場して対象のミュージシャンについて語る)を排し、THE STOOGES/IGGY AND THE STOOGESのメンバーを中心とする限られた人たちの語りで構成されていたが、この『アメリカン・ヴァルハラ』もそれに近い作りで、『POST POP DEPRESSION』制作とその後のツアーに関わったメンバーやスタッフのみに絞られた人選になっているのが却って好ましい。レコーディングに当たってプロデュースとソングライティング、そして自らギターやベースを演奏したジョシュ・ホーミが白羽の矢を立てたのは、QUEENS OF THE STONE AGEの盟友であるマルチ・プレイヤー、ディーン・フェルティタと、ジョシュがプロデュースしたARCTIC MONKEYSのドラマーであるマット・ヘルダースだった。
 『アメリカン・ヴァルハラ』に登場する人物が少ないのも道理で、実際『POST POP DEPRESSION』のレコーディングは、世間から隔絶されたモハベ砂漠のど真ん中にあるスタジオ、ランチョ・デ・ラ・ルナである意味“極秘裏”に行なわれている(その後バーバンクのピンク・ダック・スタジオで仕上げ)。
一方で『POST POP DEPRESSION』のブックレットでは“アディショナル・アシスタンス”として小さくクレジットされているだけのランチョ・デ・ラ・ルナのハウス・エンジニア、パトリック“ハッチ”ハッチンソン(レコーディング中は毎食の料理も担当し、メンバーたちの胃袋を満たした)が映画では大きくフィーチュアされているのも興味深い。

 映画がイギー・ポップのアルバム『POST POP DEPRESSION』にまつわるモノである以上、その『POST POP DEPRESSION』についても触れないワケには行かないだろう。ジョシュ・ホーミをはじめとする寄り抜きのメンバーを集めてレコーディングされた『POST POP DEPRESSION』は、イギーのキャリアを通じても特筆すべき傑作となった。THE STOOGES/IGGY AND THE STOOGES時代の荒ぶる感覚をあちこちに残しつつ、イギーの90年代を代表する『AMERICAN CAESAR』(1993年)のクリアなへヴィ・サウンドや、ベルリン時代にデイヴィッド・ボウイと作り上げた『THE IDIOT』『LUST FOR LIFE』(どちらも77年)、そして00年代にイギーがリリースしたソフトでアダルトなイメージのソロ作、それらの要素を巧みに統合したのが『POST POP DEPRESSION』だったと思う。
個人的にはイギーのソロ・アルバムとして『AMERICAN CAESAR』以来の大傑作だと思っている。
 ちなみに映画のタイトル『アメリカン・ヴァルハラ』は、『POST POP DEPRESSION』収録曲からとられている。死に場所を求める退役軍人/老兵の視点から描かれたと思われる歌詞に、同様に年老いたイギー・ポップの、パンクだR&Rだというのとはまた別の…『POST POP DEPRESSION』が最終作ではと噂されるイギーの、老境ならではの心持ちが反映されている、というのは明白だろう。
 イギー・ポップと言えば、幾つになっても裸で暴れるパンクの魔王…というイメージが強いが、一方で『POST POP DEPRESSION』以前には『Préliminaires』(2009年)、『Après』(12年)と、シャンソン/フレンチ・ポップ/ジャズなどに寄せたアルバムを作ってきた人でもある。『POST POP DEPRESSION』も、それらのアルバムでのアダルトな要素を取り込みつつ、よりロックに寄せて構築したアルバムと見ることは可能だ。『アメリカン・ヴァルハラ』でも、単なる暴れん坊にとどまらない、成熟/老成したシンガーとしてのイギーの魅力を随所に見ることが出来るはずだ(その一方でやたら“Fuck”を連発していたりもするのがまたイギーらしいと言えるのだが)。
 ともあれイギー・ポップにかつてなかったチャート・アクション(全米17位、全英5位)と商業的成功をもたらした『POST POP DEPRESSION』…イギー自身はそのアルバムを単に(?)1回きりのレコーディング・プロジェクトとその結果出来上がったモノとして捉えていたらしいが、ジョシュ・ホーミとメンバーたちはそれで終わりとは考えていなかったようだ。イギーが主題歌を担当した映画『レポマン』のサントラをカセットテープに落とし、スケボーをやりながらテープが擦り切れるまで爆音で聴き続けた末にギターを手にしたジョシュにとって、『POST POP DEPRESSION』に伴うイギーとのツアーは悲願とも言えるモノだったろう。
 そしてイギー・ポップはツアーに出ることを承諾する。ツアーを最高のモノにするため、メンバーたちは徹底的かつ綿密なリハーサルを実行。熱気に満ちたリハーサルの模様はこの映画に記録されている。ギター、ベース、ドラム以外にも様々な楽器を取り入れたアルバムのサウンドを再現するべく、ライヴ要員として二人のサポート・ミュージシャンが迎えられ、コーラスもキーボードもチャイムも木琴もスティール・ドラムもハンドクラップもなんでもござれ、イギーを含めて6人編成のパーフェクトなバンドの完成だ(管楽器、弦楽器や女性コーラスまでは再現出来なかったとはいえ)。
 ところがツアーに向けたリハーサルの初日、イギー・ポップの盟友デイヴィッド・ボウイの訃報が飛び込む。イギーの心中はいかばかりだったか(この映画は当然というか『ギミー・デンジャー』と違って、ボウイの姿もあちこちで目にすることが出来る)。『POST POP DEPRESSION』制作に当たってイギーとボウイが1977年にベルリンで作り上げた『THE IDIOT』『LUST FOR LIFE』の2枚を範としていたジョシュ・ホーミたちのショックも、想像に難くない。
 しかしイギー・ポップはマイアミから飛行機で飛び、予定通りツアーのリハーサルに合流する。イギーにとってこのツアーがデイヴィッド・ボウイに対する“弔い合戦”となった…と解釈するのは、あまりに日本人的な感覚だろうか。しかし実際のところ、ツアーのセットリストは『POST POP DEPRESSION』収録曲と、『THE IDIOT』『LUST FOR LIFE』からの選曲(そしてもちろん『レポマン』の主題歌)となった。「I Wanna Be Your Dog」も「Search And Destroy」も演奏されないツアーは、結果としてボウイに対する捧げものとなっただろうし、イギー自身にも新鮮な体験となったはずだ。
 そしてツアーがスタートする。そろいのジャケットに身を包んだバンドにバックアップされてステージに飛び出すイギー・ポップ。手だれのバンドによる「Lust For Life」イントロから血液が沸騰する人は少なくないだろう。
 この映画では、ライヴの映像は断片的で、完奏される曲はない。ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴはDVD/Blu-rayとしてリリースされてもいる。しかし、改めて大画面で観るライヴには興奮を禁じ得ない(そしてロンドン以外のライヴ映像やバックステージの模様もわずかながらフィーチュアされている)。81分、コンパクトによくまとまった映画だと思うが、個人的にひとつだけ文句を言わせてもらえるなら、上映時間をあと10分だけ長くとって、その分ライヴ映像を増やしてもらえたら…などと思ったりもするのだ。そこは多くのファンに賛同してもらえると思うのだが、どうだろうか。
 しかし、この映画はライヴのドキュメンタリーではない。そして実際、ライヴ以外のシーンを存分に楽しむことが出来る。ハンモックやら劇場の客席やら、様々な状況でインタヴューに答えるイギー・ポップ。ガウン姿で一人コーヒーを淹れるイギー(マグカップを両手で持つ)。カメラの前で無遠慮に鼻をほじるイギー(そしてその指を舐める!)。撮影当時68歳(!)だったイギーのあまりにもキュートなしぐさに萌え死に(?)するファンも多いのでは、と思う。もちろん、イギーとアルバムを作ることになったジョシュ・ホーミたちメンバーの意気込みや逡巡や試行錯誤も。
   実際、イギー・ポップのアルバムとツアーについての映画でありつつ、映画の冒頭と終盤にはジョシュ・ホーミの独白が大きくフィーチュアされている。
『POST POP DEPRESSION』はイギーのソロ・アルバムであると同時に、イギーとジョシュ、そしてディーン・フェルティタとマット・ヘルダースががっぷり四つに組んだコラボレーションでもあった。もちろんジョシュ自身が監督したこの映画もそうだ。本作でのジョシュの最後の言葉には思わずグッときてしまう。

 さてイギー・ポップ71歳(!)。2007年を最後に、来日公演は実現していない。しかもイギーは『POST POP DEPRESSION』が最後のアルバムになるかも知れないと示唆していたりもする。『ギミー・デンジャー』公開以降、ここ日本でもイギー熱が最高潮に高まっている今の状況…各所で行なわれているイギー来日嘆願の署名運動に自分も名を連ねたいと思う人は、少なくないはず(俺はもう署名した)。
 『ギミー・デンジャー』はイギー・ポップのファンに大いに喜ばれた一方で、イギーのことは知っているけれどTHE STOOGES/IGGY AND THE STOOGESについてあまり知らなかったような人たちや、そもそもイギーをほとんど知らなかったような人たちをも引き込んだらしい。そして『アメリカン・ヴァルハラ』も同様。この映画をより深く理解するためには、イギーの諸作、特に『POST POP DEPRESSION』を是非聴いていただきたいと思うのだが、イギーという不世出のシンガーの魅力はこの映画を観るだけでも十分に伝わるはずだ。この『アメリカン・ヴァルハラ』がすべてのイギー・ファンを再び喜ばせつつ、更に新たなファンを獲得する手助けになることを祈ってやまない。
都道府県 都市 劇場名 公開日
宮城 仙台 チネ・ラヴィータ 5/25(金)
東京 新宿 新宿シネマカリテ 4/14(土)
栃木 宇都宮 宇都宮ヒカリ座 調整中
愛知 名古屋 名古屋シネマテーク 5/19(土)
大阪 心斎橋 シネマート心斎橋 5/26(土)