黒子のバスケの作中で中盤に出てきたにもかかわらず、とんでもない異彩を放っているキャラクターがいます。それが赤司征十郎です。
赤司征十郎はキセキの世代のキャプテンを務めていた男であり、圧倒的なカリスマ性を誇るバスケの天才です。
代々、日本有数の名家である赤司家は、幼い子供に対してあらゆる英才教育を施してきた、と言われており、赤司もそうだったようです。
人間を率いるうえでの才覚は中学校の頃から健在で、進学先の高校でもいかんなく発揮されています。
赤司を語る上で欠かせないことは、
学業、スポーツにおいて無敵であると言え、今まであらゆる勝負に負けたことがない。
ということです。
幼いころから
「勝者は肯定され、敗者は否定される。」
という教えの基。あらゆる勝負事に勝ってきた赤司にとって勝つことは基礎代謝です。息をするとか、ご飯を食べるとかそういったレベルで勝利が当たり前のように存在しているのです。
しかしながら、赤司はあまりにも出来過ぎます。
故に周りから期待され、だからこそ人間としてのひずみも生まれている。と言えます。
そういった点も面白いと言えるので、今回はこの赤司征十郎を掘り下げて書いていこうと思います。
黒子のバスケの赤司征十郎の概要について。
赤司征十郎。作中において、
「最強のPG」
と名高い主要キャラクターです。10年に一人の天才が集ったキセキの世代を率いてきたのが赤司であり、個性豊かなメンツをそろえてきたのですから、バスケ以外においても怪物級といっても差し支えありません。
性格は、基本的には温厚で優しく、冷静かつ聡明であると言えます。他人を思いやったり、チームのことを考えてプレーする姿はまさしく理想の主将。一緒のチームにいるだけで、頼もしいことこの上ありません。
ただ赤司には、もう一つの人格がありまして、こちらがすごく厄介となっています。
赤司征十郎のもう一つの人格。
通称
「僕司」
と呼ばれる、勝つことを第一に優先した人格です。
これは、赤司家が日々施してきた英才教育によって育て上げられた人格であると言え、あらゆる勝負に勝つために
勝つこと以外のすべてを取り払い、非情にふるまう
という、独裁者的な一面を有しています。
この状態になった赤司はまさしく、帝王であると言えます。
作中では
頭が高いぞ
僕に逆らうやつは親でも許さない
全てに勝つ僕はすべて正しい
など、高校1年生とは思えないようなセリフを放っています。
普通の高校生がこんなことを言っていたら、ただ痛いだけです。
それでも、あらゆる分野において最高の結果を残せる赤司が言うからこそ、説得力が増し、多くの人間を威圧し、その場の空気を支配することが出来るわけです。
本来の赤司はすごく優しい王子さま。
勝つことに対して、あらゆる感情を取り払った僕司が帝王と言えるのであれば、本来の赤司は周りの人間に対して明るくふるまい、そして寄り添うことが出来る
「王子さま」
と言えます。
通称
「俺司」
と呼ばれる、この状態こそ本来の赤司であり、こっちは本当の意味で高校1年生とは思えないぐらいに大人です。
「俺司」はもう一人の自分(僕司)に対しては、
「自分の弱さが生み出してしまった」
と語っていますが、それでも一応は一人の人間として接している描写が見られます。自分の中にいるもうひとりの人格にさえ優しく出来るのですから、すごく出来た人間です。
赤司征十郎の能力。
赤司征十郎の能力と言えば、結局は
エンペラーアイ
になると思います。
この能力は非常にシンプルかつ強力で、
相手の未来が見える能力
です。
攻防一体。無敵のスキル
攻撃においては、相手の筋肉の動きを見て、切り返しのタイミングにひと手間かけることで、相手の重心を崩すことが出来ます。それによって相手選手を自由自在に転がすことが出来ます。
守備においては、相手がパスをしたり、シュートをしたりするのが丸わかりなので、たやすくボールをスティールすることが出来、ボールをこちらの物に出来ます。
オフェンス、ディフェンス両方で使える、攻防一体の最強スキルであると言えるでしょう。
しかしながら、赤司征十郎には他にも様々な能力があります。
ただ作中においても
エンペラーアイがあるから赤司が最強なのではなく、赤司がエンペラーアイを持っているからこそ最強なんだ
と言われるように、赤司征十郎にはその他にも様々な能力があります。それについて、書いていくとします。
強靭なバネ
身長173センチながらも、身長差をものともしない身体能力を有しています。赤司征十郎にかかればダンクシュートもたやすいものです。テクニックタイプの選手ではあるのですが、フィジカルにおいても超高校級であると言えるでしょう。
味方をやる気にさせるカリスマ性。
僕司にしても、俺司にしても、
「味方をやる気にさせるのが上手い」
です。
感覚で言えば、コート上に監督が一人いるようなものです。
- 司令塔
- 指導者
この2つの役割をこなすことが出来るのが赤司の驚くべき能力と言えるでしょう。
作中でも上手くいかない味方にアドバイスを送ることが多いですし、そのアドバイスを皮切りに上手くいっている場面も多々あります。
主人公の黒子も赤司のアドバイスのおかげで、今のスタイルを確立したといっても過言ではありません。
勝つための戦略を立てる頭脳。
赤司は目の前の勝負にこだわるのではなく、
「勝つための戦略」
を立てることが出来ます。
最強と呼ばれる青峰大輝が「勝負に勝つ選手」であるのならば、赤司は「試合に勝つ選手」と言えます。
青峰や紫原、緑間は将棋の駒で言えば、飛車、角であると言えます。それならば赤司は、それらを率い、尚且つ自身もあらゆる方向性に歩を進めることが出来る王将だと言えます。
万能かつ強力。
それが赤司征十郎というプレイヤーのスタイルと言えます。
ゾーン
赤司征十郎はゾーンに入ることが出来ます。青峰と同じくトリガーを意識し、自らの意志で入れます。
この時は他の選手と同様にスピード、パワー、テクニック。そのすべてが限界まで引き上げられ、常人では足元にも及ばない選手になります。
加えて、赤司にはエンペラーアイがあるので、ただゾーンに入る選手というだけでは、歯が立ちません。
赤司ゾーンが解禁される条件。
それは赤司がチーム全体に失望し、見限った時
ですね。
洛山高校と言えば、赤司以外も怪物揃いの選手ばかりです。しかしながら、そういった選手も人間ですから、負けるときは負けるのです。
しかし、勝ちに徹する「僕司」にそんなことは関係ないのです。
明らかにチームの勝利が怪しくなったとき、解禁されるゾーン赤司はすさまじく、
「攻撃と守備を全て1人でこなす」
という離れ業をこなして見せます。
この時チームメイトはコート上にただ突っ立っているだけになるので、皆とてつもない屈辱を受けるでしょう。
しかし、僕司は相手を思いやる面が欠けているので、関係なくプレイは続行されます。しかし、この手段で戦うのも限界があるといえます。
作中で僕司は敗北する
実際に作中でも赤司ゾーンは破られてしまい、それが突破口となって流れを相手に渡してしまいます。
生まれて初めての敗北により、僕司は抜け殻に。
本来の赤司征十郎
そんな時に内面世界から、僕司と交代したのが、本来の赤司である俺司です。
割と何度も書きますが、俺司と呼ばれる本来の赤司はどんな能力を持っているのでしょうか。
究極のパス
エンペラーアイとコート上を俯瞰できる広い視野を駆使し、味方と敵の動きを予測し、そのうえでベストなパスを出します。
最高の形でパスをもらった味方は最高のパフォーマンスを発揮できるようになり、その結果ゾーンに限りなく近い状態に入ることが出来るのです。
僕司が個人で敵を倒す能力ならば、俺司はチームで敵を倒す能力であると言えます。
作中においては、
この上なく厄介
とされており、特にPG連中からは
同業者から見てみれば、化け物じみている
と太鼓判を押されていました。
赤司征十郎はポイントガードの連中にすごく尊敬されている気がします。
餅は餅屋といいますが、やはり同じ目線に立てる人間から見ると、すごく感じるのでしょう。
赤司の名シーン。VS紫原
「眠れ歴戦の王よ」
「俺は赤司征十郎に決まっているだろう」
「頭が高いぞ」
個人的にいろいろな名シーンがありますが、抜粋して上げるのであれば、VS紫原のシーンは結構熱かったですね。
割と暗い雰囲気で書かれていたこのシーンですが、
作中最強のフィジカルを持つ紫原でさえも、エンペラーアイには勝てない
という、赤司のやばさが読者にも伝わってくる、一シーンではないかと思います。
かなり良い線いっていて紫原
ただ、このシーンって紫原も結構いい線いっていて、赤司征十郎をギリギリの所まで追い詰めているのです。
作中においては
仲間の余りの成長速度の速さに、自分が置いていかれるのではないか?と焦った
とも赤司は述べています。
完璧超人の赤司でさえ、そういったことを感じるのですから、キセキの世代の怪物具合が伝わってきますね。
最後に。赤司征十郎が好きな人は多い。
ここまで書きましたが、赤司征十郎が好きな人はすごく多いです。
人気投票でも堂々の一位を獲得しており、多くの人間に愛されたキャラクターです。
このサイトに来てくれている人も赤司が好きな人は多いのではないかと思います。僕自身も結構印象に残っているキャラクターでして、だからこそ、言及して書きました。
いかがでしたでしょう。
ここまで読んで頂ければ、一黒バスファンとしてもうれしく思います。
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