ハイキューという作品において、主人公の前に幾度と立ちはだかった相手、それが青葉城西だと言えます。
その青葉城西の中のエースが及川徹であり、作中でも最高クラスのセッターと言えます。及川徹の魅力と言えば、貪欲さであると言えます。
センスは磨く物、才能は開花させるもの
才能の限界を超えるために追い込むその姿は作中でも多くの人間の心に残っているのではないでしょうか。
今回はその及川徹について掘り下げて解説していきたいと思います。
☆話の内容
- 及川徹とは
- 青葉城西のチームとしての特徴
- 及川が担う役割
- 及川徹の能力とプレースタイル
- 影山飛雄との関係
- 牛島若利との関係
- まとめ
及川徹とは
及川徹は青葉城西高校でキャプテンとセッターを務めます。
基本的な性格は、嫌味的な部分があり食えないタイプです。
特にその嫌味は実力を認めている人間に対して強くなり、2年年下の影山飛雄や幼馴染である岩泉に対しては作中において嫌悪される描写が多いです。
バレーに対しては非常にストイックであり、一時期は自分を追いつめ過ぎた結果スランプに陥ることがありました。
しかし、それも仲間の力によって乗り越えることが出来、
バレーは6人で強い方が勝つ
の本当の意味を見出した結果として、吹っ切ることが出来中学校時代は大会のベストセッターと呼ばれるほどに成長しました。
天才ではないとのことですが、才能がないわけでは全くなく、総合的に見て高いスペックを誇っています。
青葉城西高校とは。
及川徹が通う青葉城西高校はいったいどういった学校なのか。
一言で言えば、バレーの強豪校であり県上位の常連校です。
及川を中心にまとまった戦力が武器であり、個々に武器を持った選手の良さを及川が引き出すことで回っているチームです。
いい意味でのワンマンチームであり、チームは及川のために及川はチームのためにお互いのプレーを嚙合わせることで、着実に勝利への一歩を進めていく正統派の強さを持っています。
とはいえ、圧倒的な攻撃力の前には練り上げた戦術もねじ伏せられることが多く、白鳥沢のようなエースが無双してくるチームには分が悪いことが作中では描写されています。
青葉城西における及川の立ち位置。
セッターという枠組みを超えて、チームメイトのことをよく見ている優秀なキャプテンであると言えます。
京谷のような問題児が相手でも、その良さを活かすために労力を割いたり、限界を決めている後輩に対して少し厳しいトスを上げて殻を破るために勤めたり。
チームが強くなるためにいとわないタイプです。
能力と日々の生き方からチームを支配するまさしく大王と言える人物です。
及川の能力とプレースタイルについて。
及川徹の能力についてあげると以下の物が挙げられます。
- スパイクレベルに強力なサーブ
- 味方の実力を100%引き出すセッティング
- ネット際の駆け引きの上手さ
- その他、あらゆるプレーを万能にこなすバレースキル
順を追って解説していきたいと思っています。
スパイクレベルに強力なサーブ。
及川と言えば、これに尽きると言えます。強力なサーブです。そのサーブはボールが変形する描写も描かれており、高い精度と威力を誇ります。
全力で打てば、守備側が反応できないほどであり、及川一人に得点を重ねられ、試合が壊され、そのまま敗退することも珍しくはないと言えます。
そういった意味においては他の競合チームと比べて決定力にやや劣る青葉城西における貴重な得点源です。
とりわけある程度コントロールを無視し、全力で打つサーブは強烈で、スパイクが打たれているんじゃないか。と言われるほどの威力を誇ります。
精度がないので、連続で得点できないケースもしばしばあるのですが、一度でも決まるとその威力を相手チームに印象付けることが出来、プレッシャーを与えることが出来ます。
サーブで得点できるのは他のプレーと同じく1点のみです。しかしながら、点数以上の価値があるのが及川のサーブです。
味方の実力を100%引き出すセッティング
作中最高峰の天才である影山にライバル視され尚且つ目標の一つに認定されるほどに、セッターとしての能力は高いです。曰く
そのチームの最高の力を引き出すことが出来るセッター
とされており、仮に中学生だろうが、大学生だろうが及川がそのチームに入ればそれだけでチームは最高レベルに仕上がる。
とのこと。
セッターとしての力の源。
及川のこの能力の原動力は何といっても、人を良く見ていることが挙げられます。プレー中だけでなく、チームメイトの一つ一つの動作を見て、自分がどういった動きをし、トスを上げればスパイカーの真の実力を発揮できるか常に模索します。
普段の食えない態度からは想像もつかないほどの献身ぶりです。
それゆえチームへの順応性のすさまじくたとえそのチームに入って一日目であっても溶け込むことが出来ます。
あらゆるチームが喉から手が出るほどに欲しいとされる人材が及川であり、
かの全国3本指に入るスパイカーである牛島からは
「青葉城西という貧しい土地でプレーしている及川は不憫だ」
という風に語られていました。牛島は冗談を言わない武骨なキャラクターであることからも、これは心の底から出た本音であると言えます。
ネット際の駆け引きの上手さ。
及川の視野の広さは自チームだけにとどまらず、相手チームにも及びます。それまでのプレースタイルから出てくる癖や傾向、そしてその人物の性格から次のプレーを予測します。
それによってコート全てを支配する力に長けており、味方からすれば頼もしく、敵からすればこの上なく厄介な存在です。
天才セッターであり、戦略面においてもかなりの熟練度を誇る影山でさえも、及川の狡猾さに何度も手を焼かされている場面が伺えることから、能力だけでなくバレー脳も作中においては高い領域に達しているのではないかと考えられます。
あらゆるプレーにおける卓越した技術。
セッターとしての実力やサーブの強烈さなどが印象的に語られる及川です。しかし、それ以外の基本的な能力も高いです。
バネ、しなやかさ、センス。どれをとっても高校生においては上位に食い込むレベルであり、ブロックやレシーブも高い精度で行うことが出来ます。
実際に影山も
サーブやブロックはあの人から学んだ
と言われるぐらいには高い完成度を誇っているといえ、元来より完成度が高かった青葉城西の完成度より高める要因になっていると言えます。
ただ、天才ではないと言われているわけです。
しかしながら、そういった怪物的な才能がないにもかかわらず、己の努力とチームメイトをまとめる統率力の高さで天才と渡り合っているところを考えれば、及川徹は紛れもない、一流プレイヤーと言えるでしょう。
影山飛雄との関係性。
作中においてなにかと因縁めいた絡みのあった、影山との関係性はどこにあるのか。
影山とは同じ中学校で先輩と後輩の関係でした。北側第一という強豪校です。
及川が3年生の時に影山が1年生で入ってきて、その時からその圧倒的なセンスの高さには注目していたと言えます。
そういった中、様々な要因が絡まり合い挫折していた及川に対して、下からの脅威として映ったのが影山だったのです。
試合でも不調で中々結果が出ない及川に代わり、活躍している影山。
明らかに自分よりも高いセンスを持っている後輩に対して脅威を感じていた及川は居残り練習時に拍子で手を上げようとしましたが、寸でのところで岩泉に止められ、我に返ります。
そこで岩泉に説得されて、バレーがどういったスポーツかを問いかけられ、吹っ切れた及川はなんとなく悟り次第に復調します。
結果的に中三の時に宮城県で最優秀セッター賞を取り、今度は影山に倒すべき相手としてライバル視されるようになります。
それ以降、高校に入ってからもお互いに敵視する関係となり、時には成長のためのヒントを与えるなど敵に塩を送る発言などもしています。
牛島若利との関係
作中においても最強クラスの大砲として語られる牛島との関係性はどこにあるのか。
それに関して言えば、中学時代から幾度となく戦ってきたライバルであるといえます。そして及川の挫折の原因になった人物であるともいえます。
牛島自身は悪い人間ではないのですが、その脅威的なプレースタイルは及川のような努力でコツコツと能力を伸ばしてきた人間には多大なショックを与えるようです。
牛島の方からはあくまでも優秀な選手として評価されており、それほど敵対心は持たれていなく、どことなく及川の一方通行的な感じが伺えます。
実際、チームとして戦っている時も青葉城西の緻密な戦略は、白鳥沢の個の力に粉砕されることが見受けられ中々リベンジが出来ない様子。
及川徹の名シーン
及川徹の名シーンと言えば、ファンであるならば
センスは磨く物、才能は開花させるもの
ではないでしょうか。
このシーンはコート外に上がったボールに対して、及川が必死に追い続けさらに、トスを上げるから準備しろと言わんばかりに指差す構図からなっています。
非常に臨場感があり、アニメ、原作共にこのセリフに鳥肌が立つのではなくてこのシーン、セリフ、及川の背景、それら全ての部分に対し鳥肌が立つのではないかと思います。
ぜひ、アニメや原作を見てもらいたいです。
このセリフは及川が言うからこそ説得力がある
及川という選手はある程度優秀なセンスに対して、凡人を超越した努力を繰り返して、高い総合力を誇る選手です。
そして、高校3年生になった時点、いや試合中でさえも自分のセンスを磨き上げ限界を超えるための努力しています。
ですから、ハイキュー屈指のストイックさを持っていると言え、作中、最も「強さ」に執着している人間ではないでしょうか。
そういった選手が語るこの言葉は非常に重いものがあると言えます。
ハイキューとは直接関係ないのですが、こんな話があります。
水面を優雅に泳ぐ白鳥は実は水面下で必死にもがいている。
ハイキューにおける及川もまさしく白鳥のように泥臭く、一枚一枚積み重ねてきたキャラクターです。
及川のカッコよさは自分が努力している形跡を一切他人に見せないところです。ただ、その努力は同じ場所で頑張っていたら、嫌でも目に入ってきます。
そういった人間だからこそ、チームメイトは及川の出したトスを信じることが出来るし、及川の指示も嫌々ながらもしたがって動くのだと思います。
及川の放つ言葉はここ一番でチームを発奮させるカンフル剤になりますが、その効力を支えているのは間違いなく日ごろの行いでしょう。
背中と言葉。
その両方でチームを鼓舞する、まさしく理想のキャプテンでありこれは漫画を超えて見習う部分があるかと感じます。
及川から学べること
これを読んでいる人の周りにも、もしかたら、及川のように日々自分に厳しいノルマを課している人はいるかもしれません。
そしてその努力を他人には強要せずに、黙々と前に進んでいるとします。これほどまで素晴らしい人は中々いないのですが、仮にそういった人がいるのであれば、出来る範囲で良いので黙って一緒に頑張りましょう。
応援するのも良いですが、そういった人と頑張っていると、なんとなく見えてくる人としての強さがあります。
その人がやっているハードな努力をしなくとも、一緒にいるだけで少しだけ良い世界を見ることが出来るかもしません。
まとめ:及川徹について。
青葉城西の要であり大エースである及川徹について書きました。
作中ではいじられキャラとして確立していますが、随所随所で見られる人間としてのすばらしさはバレーというスポーツを超えて見習うことが出来ると思います。
青葉城西は全国にはいけなかったわけで、そういった意味では残念ですが、すごくいいチームです。
アニメ版でも素晴らしい描写の数々で何度も興奮するシーンがありました。
まだハイキューを見ていない人は、この青葉城西の試合含めて面白いと感じるハズなので、ぜひとも見てみると良いでしょう。
読んで損なしです。
コメント