最強格の鬼として君臨する鬼、上弦。
その中でも、遊郭の影で暗躍をする鬼。
それが、堕姫。
圧倒的な美貌を持っており、普段は花魁として活動している。
しかし、裏では捉えた人間を帯の中に保管しており、ストックし、後に捕食するようにしている。
長い年月鬼として活動してきただけあって、相当な数の人間を捕食し、その力を磨き上げており、鬼舞辻無惨からも称賛されるほどに目覚ましい成長を遂げた鬼。
一方で、堕姫の中に潜むもう一人の鬼、妓夫太郎は一見すると見ずぼらしい見た目をしているがその実力は堕姫をはるかにしのぐほどであり、
堕姫が足手まといになるほど
と言われる。
堕姫&妓夫太郎の強さについて。
前提として
初めて作中で初めて倒された上弦である。
しかし、上弦の鬼を倒すために多くの犠牲を伴ったことは間違いなく、柱である宇随天元は前線を外れるほどのケガを負った。
柱であっても、手に余るほどの実力を見せ、改めて上弦の鬼の恐ろしさを知らしめることに一躍買ったキャラクターである。
堕姫、妓夫太郎の強さの理由
堕姫、妓夫太郎の強さの理由は作中にちりばめられているだろう。
- 自分が活躍できる場所で戦っている。
- 兄が強い
- 2人同時に切らなければ勝てない
自分が活躍できる場所で戦っている
堕姫の強さの秘訣としては、遊郭というホームグラウンドで戦っていることにある。
いつでも食料を補給出来、身を隠しながら、活動することが出来る。
堕姫の実力では柱には勝てないが身を隠す場所があるおかげで長い時間生き延びることが出来た。
一応、
「柱を食ったことがある」
と公言しているが、宇随天元などの正面戦闘でねじ伏せるタイプの柱が相手では瞬殺されてしまうようだ。
実際に天元には
お前は上弦じゃねえだろ。
弱すぎる
と言われていたので、
強さのヒエラルキーで言えば
上弦>堕姫>下弦
位と考えていいだろう。
兄が強い
結局のところ、堕姫が上弦の鬼として恩恵を受けられているのは、兄である妓夫太郎の存在が大きい。
妓夫太郎は実力で言えば、上限に恥じない実力を持っていることは間違いなく、作中の語り部において
優れた情報処理能力が上弦たるゆえん
と語られている。
その語り部の通り、周りが良く見えそれによって、戦況を有利に運ぶことが出来る。
また、優れた遠隔攻撃を持っており、それは自身の血を鎌状にして相手を切りつけるというもの。
変幻自在に飛んでくる鎌は非常に鋭く、それだけでも厄介だが、命中すれば毒に犯される。
そのため、かすり傷であっても、致命傷に至る。
2人同時に切らなければ勝てない。
上弦の陸が最も厄介なのは、この点にあると言える。
それは
2人同時に切らなければ、絶命しない
という点。
どれだけ足手まといになると言っても、堕姫も無惨から濃い血を受け継いでいる。
普通の柱であれば、てこずることは間違いない。
そういった中で、情報処理能力に長けた兄が妹に的確な指示を送ることが出来るので、2人同時に討伐することは実に困難である。
実際に、柱である天元が深手を負うことでやっと仕留めることが出来た。
堕姫は弱いのか。
ここまで書くと、
堕姫は弱い鬼なのか。
という話になるが、決してそんなことはない。
あくまでも、上弦としては強くないだけであって、後任であった獪岳なんかよりはよっぽど自分の戦い方を知っていた。
血鬼術任せの戦い方ではなく、闇に身をひそめ、必要な時にだけ能力を使い。着実に人を食らい強くなっていく。
遊郭という場所なだけあって、正体を突き止めることが難しい。
そのため、あれほどてこずり、多くの犠牲者を出してしまった。
堕姫&妓夫太郎の過去について。
遊郭という舞台で暗躍していた堕姫&妓夫太郎だが、実は壮絶な過去を経験している。
その中で鬼として覚醒した。
順を追って説明していくと、以下の通りになる。
妓夫太郎と堕姫の出生
遊郭で生まれ、堕姫の生前の名前は「梅」と言った。
これは、母親の病気からつけられた名前である。
また、妓夫太郎という名前も、「妓夫」という差別対象になる職業からつけられていた。
見た目も実に醜く、
この世にある罵詈雑言は自分のためにある
と自虐できるほど、不幸が一身に降り注いでいた。
ただ、妹は、13歳にして大人もたじろぐほどの美人であり、遊郭でも稼ぎ頭であった。
そんな妹が妓夫太郎にとっては誇らしかった。
侍の目を突き、妹が焼かれる
しかし、客の侍の目を突き、失明させたことがきっかけで生きたまま焼かれた。
その後、その場に居合わせた妓夫太郎も侍に切りつけられるが、持っていた鎌で侍を返り討ちにした。
今にも焼死しそうな妹を抱きかかえながら、世の中の理不尽さを嘆き続け、雪道の中で歩き続ける。
上弦の鬼である童磨に出会う。
そういった中で、当時、上弦の陸に座っていた童磨に出会う。
童磨は「女を好んで捕食する」という習性があるので遊郭に出没することは偶然ではなかったと言える。
そこで、鬼になる選択肢を与えられ、迷わずに鬼になった。
妓夫太郎は
何度生まれ変わっても鬼になる
というぐらいに、人間を憎んでいた。
妓夫太郎が堕姫に対して思っていたこと。
最終的にお互いをののしり合いながら、責任を擦り付け合っていたが、
お互いの本心は違ったと言える。
妓夫太郎は、
自身のような醜いものが兄で悪かった
と思っていた。
見た目が美しく、そして染まりやすい妹のこと。環境次第では相応の幸せを手に入れることが出来たのではないか、と。
そういった中で、常に
取り立てろ、取り立てろ
と教えていたこともあって、「妹は侍の目を突いてしまった」と思っている。
そのため、死後は妹に対して
自分にはついてくるな
と言い、突き放すように言った。
しかし、妹は兄から離れようとしなかった。
死後の世界において、妹は兄に対して罵ったことを謝った。
そして、地獄に行こうとしている、妓夫太郎は
お前は俺とは来るな、反対の方向の明るい方に行け
と諭すものの、それでも、梅は兄について行きたがった。
このことから、梅が兄を思っている気持ちは、人一倍強く、だからこそその裏返しであれほどの罵詈雑言を兄に対してぶつけたのだと言える。
精神的に幼かった妹は、
自身が失敗した時のぶつける場所を心を許した兄にしか持っていなかった。
だから、首を切られたとき、真っ先に兄を攻めた。
信じていた妹に裏切られた兄は妹に対して言い返し、売り言葉に買い言葉の状態になり、死に間際まで言い争いをする形になった。
ただ、最終的に自分たちは支え合って生きたことを悟り、和解し、闇の中に消えて行った。
堕姫&妓夫太郎まとめ
鬼滅の刃において、上弦の恐ろしさを知らしめた重要なキャラクターである。
妹を倒せたと思ったら、その体から兄がはい出てくる。
という斬新な登場の仕方をしたが、その後は上記する通り上弦の名に恥じない血鬼術と戦闘センスで柱を追い詰めた。
個人的に、個性があって好きなキャラクターである。
それに加えて、エピソードがすごくいいと思っている。
鬼滅の刃という作品は血のつながりをテーマにした作品だと、個人的に思っているが、堕姫、妓夫太郎もいびつな形ながら強力なつながりをもって戦っていた。
それゆえに兄は過保護になり、妹を操ってまで戦おうとしたし、妹は兄に頼り切って寝首を欠かれてしまった。
お互いのいびつなつながりが原因で敗北を喫したと言える。
最終的に喧嘩をしながら、絶命するが、死後の世界で2人切りになったとき
やっぱり、自分たちは支え合わないと生きていけない。
と、再び和解するところは救いようのない兄妹の人生において唯一の救いだったのかもしれない。
悲しい話ではあるが、考えさせられる話でもあり、一度手に取って読んでみると、少しだけ優しくなれた気がした。
そういったこともあって、遊郭編の締め方は個人的には他の話に比べても好きな部類に入る。
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