進撃の巨人は戦うシーンが多いマンガです。シンプルな格闘ではなく、作戦を展開することも多く、戦術の核と扱われることが多いのが9つの巨人ではないでしょうか。
作中においては、多くの犠牲を生み出した破壊の象徴であるともいえますが、それは強さゆえにだと思われます。
兵器として扱われる中で、それぞれが自身の役割を果たすしかありませんでした。
とはいえ、
侵略、戦争、奇襲、宣戦布告。
理由は違えど、戦い続けてくれたおかげか読んでいる人間には各巨人の力がしっかりと伝わったかと思われます。
せっかくなので、今回は9つの巨人について掘り下げて解説していきたいと思います。
9つの巨人一覧
- 始祖
- 進撃
- 鎧
- 戦槌
- 女型
- 超大型
- 獣
- 顎
- 車力
以上が9つの巨人です。これらは巨人の特徴である、体がデカくて再生できる。という強みにプラスαして、それぞれが強力な武器を持っています。
加えて、知性があります。なので作戦を理解することが出来ます。
作戦を展開し、各々が持っている長所を発揮できる舞台を整えれば、多くの戦果を挙げることが可能になるといえ、現代兵器でもなければ戦場は蹂躙されることになるでしょう。
9つの巨人の歴史
9つの巨人の歴史を簡潔に話せば、元来全ての知性巨人は始祖の巨人の体に宿っていたことから、話すべきでしょう。
まず、巨人の歴史とは?
巨人の歴史は、始祖ユミルからはじまります。
始祖ユミルはエルディア部族の奴隷であり、日々馬車馬のように働かされていました。
そんな時に、柵の中で飼われているブタを逃がした罪に問われ、エルディアに命を追われます。
逃亡した先で大木を見つけ、洞穴に足を運ぶと同時に足を滑らせてしまいます。
落下した穴の中には後に大事の悪魔と呼ばれる古生生物が存在しており、その生物に寄生されることで巨人の力を発現します。
巨人の力を身に着けたユミルは無敵で、エルディアは連戦連勝。仇敵であったマーレでさえも圧倒します。
目覚ましい活躍を見せたユミルは褒美として、初代エルディア王の子種をもらうことを許され、その後、初代エルディア王と始祖ユミルは3人の子供を残します。
(それぞれマリア、ローゼ、シーナ)
始祖ユミルが巨人の力を発現して13年後、王の命を狙っていた伏兵が放った投げ槍をユミルがかばい、そのときにユミルは絶命。
フリッツ王は巨人の力を手放さないために始祖ユミルの肉を娘たちに食べさせます。
娘たちはしっかりとその力を継承します。そしてその娘たちが残した子供たちも、巨人の力に目覚めていきます。
そして最終的に始祖の巨人の力は、9つに分けられ知性巨人へとなりました。
9つの巨人に力が分割されても、エルディアは依然無敵。奪略や侵略を糧に繁栄をつづけ、民族浄化を行っていったと言われています。
始祖の巨人
全てのユミルの民及び、巨人を操ることが出来る巨人。
王家の人間のみがその力を扱うことが出来るが、145代フリッツ王の「不戦の契り」でその力を行使できなくなります。
始祖の力を使うためには王家の力を引き継いだ人間と、始祖の力を受け継いだ人間が接触する必要があります。
戦闘手段
戦闘手段を上げるのであれば、「地ならし」による大規模な殺戮です。
マリア、ローゼ、シーナ全ての壁の硬質化を解いた地ならしは全人類を踏みつぶすほどの強力であり、最高峰の兵器を総動員しても相手にすらなりません。
作中においては圧倒的な物量と質量で人類の8割を踏みつぶし、なきものとしました。最強最悪の巨人であると言えるでしょう。
始祖の巨人の継承者
- 始祖ユミル
- 145代カールフリッツ
- フリーダ・レイス
- グリシャ・イェーガー
- エレン・イェーガー
進撃の巨人における始祖の巨人の立ち位置について。能力や歴史、出来ることなど考察。【エレンが継承したことで出来たこと。】
進撃の巨人
過去の継承者が道を通じて、未来の継承者の記憶を覗き見る
つまりは、「未来視」が出来ます。
しかし、先中においては、始祖の力と合わさることによって
過去の継承者の思想を操る
といったことも可能となっています。
自由を求め続けた巨人と言われていたが・・・
この巨人は
いついかなる時代も自由を求めて進み続け、戦い続けた巨人
と言われています。
しかし、作中を掘り下げてみると、
未来の継承者が記憶の断片を過去の継承者に見せていたため、そうせざるを得なかった。
ということが分かります。
未来の記憶を覗き見た継承者は継承すると同時に自分がやるべきことをまっとうする人生になります。
それによって他の人間、巨人継承者からすれば異端とも取れる行動を起こし続けたのです。
それが、周りの人間からは曲解されて「自由のために動き続けた」と呼ばれる理由になっているのだと、推察できます。
戦闘手段
特異な巨人ですが、戦闘手段は殴る、蹴る、かみつくなどの原始的なものばかりです。
しかしながら、オールラウンドに戦うことが出来、巨人化回数も他の巨人よりも多いです。
それを活かした戦術も作中では披露しています。
継承者
- エレン・クルーガー
- グリシャ・イェーガー
- エレン・イェーガー
進撃の巨人の特徴と強さ、能力についての考察。名シーンについて。普通に戦っても強い?【圧倒的伏線回収】
鎧の巨人
全身を硬質化で覆っている巨人であり、そのタックルによって壁内人類に絶望を味合わせてきました。
作中序盤では破壊力による脅威が描かれていましたが、本分は防御にあるようで、あらゆる攻撃から味方を守り続けてきたようです。
「マーレの盾」と呼ばれており、その性質から「我慢強いライナー」に継承されているとのことです。(訳ありですが)
戦闘手段
戦闘手段は鎧の体を活かしたタックル攻撃と頑強な体を活かした、身代わりです。
しかし、巨人の硬質化を交えた打撃や現代兵器の威力の前ではその装甲も貫かれてしまっており、現代においては運用が難しくなった巨人の一体と言えます。
継承者
- ライナー・ブラウン
【進撃の巨人】鎧の巨人の強さや能力、見た目、活躍、戦歴について解説。実は弱いのか?【マーレの盾】
戦槌の巨人
歴史のある巨人であり、タイバー家にて代々受け継がれてきました。
タイバー家は100年前に勃発した巨人大戦でエルディア王、マーレ軍と共謀することによって、エルディアの国内を混乱に陥れ、巨人大戦を終結に導いたとされます。
その後、タイバー家はマーレの英雄として一貴族として甘受に浸ることになります。
元来エルディア人は差別対象とされていますが、タイバー家はエルディアの血を体に流しながらも世界中で一目置かれている一族です。
これはそういった家系であることも一つですが、当主であるヴィリータイバーの人望の厚さも一つの要因です
ヴィリータイバーは戦槌の巨人の継承者ではありませんが、自らの使命を全うしその生涯を終えた人物とされ、作中における数少ない人格者です。
戦闘技術
硬質化能力に特化した巨人であり、あらゆる形状のモノを硬質化能力によって生み出すことが可能です。
戦槌の巨人という名前の由来は、おそらくその硬質化能力で生み出す「槌」から来ているのだと思われます。
リーチが長い槌を作ることによって、遠くに離れた敵を攻撃することが可能になっています。
素の戦闘力は一線を画しているとされ、
進撃をもろともしない
と言われていました。
また、本体は巨人のうなじではなく地面の中で結晶化しており、そこから巨人を操っています。
それがばれていない間は無敵の戦いが出来ますが、一度気付かれてしまうと、そこからは何もできなくなってしまいます。
くわえて、持久力はないようで、長期戦になれば不利になる巨人だと言えます。
継承者
- ラーラ・タイバー
戦槌の巨人の強さと歴史、能力、継承者について解説。ヴィリー家の過去なども深堀【特殊な歴史を持つ巨人です。】
女型の巨人
9つの巨人の中で唯一の女性的特徴を持ち合わせた巨人です。
高い汎用性がある巨人であり、柔軟に戦局を打開していくことが出来ます。
1対1にも強く、それでいて1対多の戦闘も可能にする巨人であり、車力の巨人と同じく戦略の幅を大きく広げることが出来る巨人であると言えます。
また、他の巨人の影響を受けやすい巨人であると言え、そのために鎧の巨人の硬質化や一部始祖の巨人に近い能力を使うことが出来ます。
そのオールラウンドさ、故に作中では明らかにされていませんが、始祖の巨人に最も近い知性巨人ではないかと考えられています。
戦闘手段
戦闘手段は進撃の巨人と同じく、打撃攻撃がメインです。また硬質化を用いて繰り出される上段の蹴りは一撃必殺と呼ぶにふさわしい威力を誇ります。
また、自身のピンチになると咆哮をを上げることも出来、それによって無垢の巨人を呼び寄せて戦況をひっくり返すことも出来ます。
あらゆる状況に応じて、戦うことが出来る巨人です。
継承者
- アニ・レオンハート
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超大型巨人
マーレ軍をして
「破壊の神」
と呼ばれる巨人であり、敵陣に与える損害の規模は9つの巨人の中でもトップクラスです。
パラディ島侵攻作戦においても、壁の扉を蹴り破ったことで、シガンシナ区は地獄のような様相を呈してしまいました。
戦闘手段
巨体を生かした攻撃はシンプルですが強力です。動きは鈍く捉えられやすいという欠点がありますが、それも熱風によってカバーが出来ます。
超大型巨人が最も恐ろしい点は、体の肉を消費し、熱に変え、広範囲に爆発を起こすことが出来る。という点にあり、これを敵が集まっている場所で使えば、相手の戦術を全て薙ぎ払うことが出来ます。
継承者
- ベルトルト・フーバー
- アルミン・アルレルト
獣の巨人
本来は全くといっていいほど活躍できなかった巨人でしたが、ジークが継承することで評価が一変しました。
霊長類のように長い手足は投擲すること活用され、それによって投石された岩は敵陣を蹂躙するうえで高い戦果を発揮します。
また、王家の血が入っていることによって無垢の巨人を完全にコントロールすることが出来るようになります。
これもまた、強力な武器です。
戦闘手段
先ほど上げた通り、投球技術に長けており、これによって兵器をしのぐ損害を敵陣に与えることが可能です。
超大型巨人よりもはるかに使い勝手が良く、そこに投げられるものがあれば、ノーリスクで敵に損害を与え続けることが出来ます。
そのため、物資調達と運搬をこなせる車力の巨人との相性は抜群です。
それに加えて、予め自らの脊髄液を加えたエルディア人が要れば方向によって巨人化させることが可能です。
これによって物量作戦で戦場を蹂躙することも出来ます。
継承者
- クサヴァ―
- ジーク・イェーガー
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顎の巨人
他の巨人に比べると比較的小さな巨人ですが、その分速く動くことが出来る巨人です。
そのため、的を絞る必要がある機関銃、大砲などの長距離兵器に対して強く出ることが出来ます。
その実力はマーレ軍をして強襲型と呼ばれており、戦術の要を無力化することに向いています。
戦闘手段
基本的な戦闘手段は敵陣に突っ込んで、顎や爪で壊す。というものです。
しかし、シンプルがゆえに中々対処しづらく作中においても、割と奥の戦場で活躍しているところが目立ちます。
ただ、体の軽さゆえに巨人同士の戦いでは不利になることが多いようで、対巨人戦における成績はあまり奮いません。
継承者
- マルセル・ガリアード
- ポルコ・ガリアード
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車力の巨人
完全な4足歩行で移動する巨人です。
持久力とスピードに優れた巨人で、サポート向きであるとされ、運搬、かく乱、逃亡などで味方を救っていました。
しかし、装備によってはその他の巨人にも引けを取らない戦い方が出来るために、足手まといになりづらい巨人であると言えるでしょう。
女型の巨人以上に戦略の幅は広いですが、その根幹になるのは圧倒的な持久力です。
数か月にもわたってこの姿で居続けることも可能で、それによって長距離の移動も容易なものとします。
遠くのモノを運んでくることが得意な巨人であり、モノを投げて攻撃する獣の巨人とは非常に相性がいいものとされます。
戦闘手段
9つの巨人の中では肉弾戦が出来ない巨人ですが、その分兵装をまとうことでカバーが可能です。
また、噛みつく力は強いようで、巨人のうなじを削ぐぐらいならば出来てしまうようです。
継承者
- ピーク・フィンガー
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9つの巨人で一番強いのは?
強さといっても色々な種類がありますが、普通に考えれば始祖の巨人が一番強いかと思われます。
しかし、始祖の巨人は「不戦の契り」があるので力を発揮するのは一苦労です。
強さの定義をシンプルなタイマン勝負にするのであれば、一番は戦槌の巨人であると思われます。
巨人同士の戦いは、原始の戦いになりがちです。一番進んでいる獣の巨人に関しても投石攻撃が精いっぱいです。
そういった中で、戦槌の巨人は剣や槍は愚か、弩まで作ることが出来、近距離だけでなく中距離、遠距離まで対応可能です。
これは他の巨人に比べて2歩も、3歩も進んでいると言わざるを得ないでしょう。
実際に戦槌の巨人をタイマン勝負で戦えた巨人は作中にはいません。エレンはミカサの協力によって危機を逃れています。
その後エレンに取り込まれた戦槌に対しては、鎧と顎、2人がかりでやっと戦えている状態でした。
確かに、結晶体の居場所を突き止められると負けてしまうリスクはありますが、基本的にその状況に至るまでに勝負はつきます。
また、超大型にしても熱風が届かない位置からうなじを遠距離で打てば倒すことが可能です。
圧倒的に体が小さいエレンの一撃でうなじがそがれていたので、矢じりでもうなじを吹き飛ばすことが出来るでしょう。
また熱風や爆発が起きても、本体は地中に身を隠しているので致命傷にはならないと言えます。
あらゆる対応力を考えれば、やはり、9つの巨人最強は戦槌になるのではないかと考えられます。
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