ダイヤのエースという作品は、割と昔から連載されている漫画です。
野球漫画の中では老舗、とはいかないまでも、根強いファンによって支えられている漫画ではないかと思います。
歴が長いマンガだけあって、安心して読むことが出来ることは間違いありません。しかし、いまだに作品としては進化を続けているのがこの作品の本当にすごい所だと感じます。
今回はこの作品について、僕が思っていることを書いていこうと思います。
ダイヤのエースは面白いのか?
まず基本的に思っていることとして、この作品は面白いですね。
設定が非常に斬新でして、主人公が強豪に入って、そこで甲子園を目指すという内容になっています。こうしてみると、かなりイージーモードな感じに思われるかもしれません。
しかし、いざ蓋を空けて見ると、そこには
強豪に入った人間のプレッシャー
立ちはだかるライバル校
ダークホースの下克上の怖さ
など、高校野球のリアルが描かれているのです。
ダイヤのエースは面白いのかという話ですが、連載を初めて数十年も立っている作品が面白くないわけがありません。
ここまで連載が続いているのは、面白いからという理由が第一に来るのは普通なのではないかと思います。
ダイヤのエースはこんな人が読めばいい。
ダイヤのエースはどんな人が楽しめるのかと言えば、
不器用な人が楽しめると思います。
高校球児とかスポーツをやってきた以外の人でも、この作品は楽しめるようになっており、そこには人間として一つのことをひたむきに頑張り続けることの大事さが描かれています。
いま組織なんかで、浮いている人なんかはこの作品を読んで学べる部分があるのではないかと思います。
どれだけ優れていたり、頭が良くても、自分一人だけでは結果は残せない、組織として上に行けない。そういったことがこの作品から学ぶことが出来。
そこには
チームプレー
が如実に語られているわけです。
そういった意味では自己の成長を促すことが出来るのではないかと思ったりします。
野球について勉強できます。
この作品の良いところは、野球について他の漫画よりもより掘り下げられていることです。普通の漫画であれば、三振とホームランがメインに語られがちになります。
しかしこの作品は、走塁やセットプレー、内外の連携や、進塁打などの細かい所まで描かれているのです。ここまで野球について煮詰めた作品はないと思います。
加えて、野球界の最近の廃り、流行りを作中でも取り上げており、昨今の野球についても深く知ることが出来ます。
ダイヤのエースの名シーン。結城哲也という人間が関わるシーン。
僕がダイヤのエースで好きなキャラクターは結城哲也というキャラクターでして、この人はすごくカッコいいのです。
この結城を一言で表すと、
努力の天才
です。
他人が100回バットを振るのであれば、自分は500回バットを振る。才能のなさを努力でカバーする男がこの結城哲也です。作中でもかなりの人望を誇り、チームメイトからは「哲さん」と呼ばれています。
ただ、読者からも親しみを込めて「哲さん」と呼ばれていますね。
努力を続ければ、人は強くなれる
結城哲也の姿からは、人間としての正しい姿が読み取れるのではないかと思います。僕たちはどんな時でも楽をして結果を出そうとします。そういった中で、中々結果が出なくて、挫折したり、不満を垂れたり、周りのせいにしたりします。
これを書いている人間もそんな人間です。多分これを読んでいる人も心当たりがあるかもしれませんね。
そういった人がたくさんいる中で、結果を出せる人はやっぱり、ひたむきに一つのことを極めた人間なのではないかと思います。
強豪青道高校を言葉ではなく、背中でまとめ上げて、リーダーとしての周りを導いてきた結城哲也からは、まさしく
成功する人間の哲学
がちりばめられているのではないかと思います。
社会人になってから見れば、また違う見方が出来る。
その姿からは今スポーツに取り組んでいる人だけでなく、仕事やビジネス、趣味などで結果を出していきたい人が学べることが非常に多いです。
題材は高校生になっているのですが、こういった姿勢は大人になってからの方が大事になってきます。
学生時代は才能だけで何とかなっていた人も、大人になれば努力をしないと結果を出せなくなってしまいます。なまじ器用な人間はそこで挫折する人が多く、成長はそこでストップしてしまいます。
しかし、結果を残すことが出来る人は哲さんのように、失敗とか成功とかを度外視して同じことを当たり前の続けることが出来るのです。それが成功する人のやり方です。
結城哲也の評価
そんな哲さんは作中においても別格のバッターとして、作中では多くのキャラクターに尊敬され、恐れられていることが分かります。
あいつからは金の匂いがする
これは轟監督の言葉で、作中随一のバットスイングと選手としての立ち振る舞いを見て、驚いていました。
あかんあいつは別格や
大阪桐生の監督のセリフですね。この打席で哲さんは目にも止まらないフェンス直撃の打球を放っています。大阪桐生は一人だけ明らかに打球の質が違うことをこのワンプレーで悟ります。
高い授業料を払った
これは成宮鳴のセリフです。予選大会で成宮鳴は哲さんにチェンジアップを打たれており、それを教訓としているみたいです。
こんな感じで、主人公よりも主人公をしている結城哲也は作中でも多くの注目を集めていますが、読者からも大きな人気を集めているのではないかと思います。
特に、初めて試合に出た時、いきなりホームランを放ち、その後のカットインで
努力は嘘をつかない
という文字が、大きく映し出されるところは鳥肌物です。
ダイヤのエースという作品をより楽しむためにすべきこと。
僕は野球をそれなりにやってきた人間なのですが、この作品は野球を知っていればより楽しむことが出来るかもしれません。
しかし、野球をしたことがない人間からすると、
実際の野球の試合ってかなりつまらないと思います。
一球一球にいちいち時間がかかりますし、漫画なんかでは派手なホームランで試合の勝敗が左右されことが多いのですが、実際の野球で勝敗を左右するのは、細かい連携プレーや相手のミスを誘う進塁打。それからボールの一球一球の出し入れなどです。
そういうプレーって素人からすれば、凄さが分かりにくいです。
だから、総合的に地味なスポーツだと思われることも多いのではないかと思います。
野球好きの層ってオタクが多いです。
サッカーのワールドカップなんかはそこら辺の女子高生や、小学生、イケてる若者などが街頭テレビで映し出されるのに対して、WBCで映し出されるのは居酒屋で盛り上がっているおっさんばかりです。
後、野球を見ているそうはオタク系の人間が多いと思いますね。こういったことを語れば、怒られるかもしれませんが、僕もそんな感じの人間なので分かるのです。
野球って楽しむためには、それなりに時間がかかるスポーツなのです。
野球のすごさを知るためには、野球選手が凄いことをしているのを見るのが一番。
だからこそ、YouTubeなどでホームラン集などを見てもらえればと思います。
野球というスポーツは運動科学の結晶です。
ただ筋肉があるだけでは、上手く行きません。筋肉を上手く使って最大限の力をボールに伝えることで特大のホームランが生まれたり、150キロを超える剛速球を投げられます。
良い選手は良く見れば非常に効率的で無駄のない動きをしていることが分かります。そういった所をYouTubeを通して視聴してもらえれば野球というスポーツのすごさがなんとなくわかってくるのではないかと思います。
物事を楽しむためには、その物事の構造を理解することが大事です。
それは、勉強や仕事でも一緒ですが、趣味になるとことさらです。
それでも、ダイヤのエースは普通に見ても面白いです。
スラムダンクやハイキュー、アイシールド21を知ろうが見ても楽しめるように、ダイヤのエースも野球を知らない人が見ても楽しめると思います。
ですから、スポーツ漫画を手に取ってみてみようと思う人はまずは漫画の一巻を買うか、VODサービスを使って第一話を見てみることがいいのではないかと思います。
僕はコミック一巻を手に取って、ものすごい作品があるんだな。
と思いました。
そこから一読者になった感じです。
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